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「不首尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不首尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪後」より 著者:梶井基次郎
ざ》と同時に来た。まだ若く研究に劫《こう》の経ない行一は、その性質にも似ず、首尾不首尾の波に支配されるのだ。夜、寝つけない頭のなかで、信子がきっと取返しがつかな....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
と言った。しかし本人の性根さえ入れ替われば再び世に出る望みがないでもない。今度の不首尾に懲りて彼がきっと謹慎するようになれば、毒がかえって薬になるかも知れない。....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
して同じく伯父に当る越後侍従|忠輝《ただてる》卿は、七日の合戦の手に合わず散々の不首尾である。伊達、前田、黒田という聞えた大藩の勲功も、越前家の功名の前には月の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
け取った以上、取り逃がしたのはこちらの責任で、表向きは旋風で済んでも、坂部さんは不首尾です。そこで内所《ないしょ》でわたくしを呼んで、その次郎兵衛のゆくえを探し....
婦系図」より 著者:泉鏡花
る。そなたに向って行くのに、従って歩行くものを、(どこへ行く。)は情ない。散々の不首尾に、云う事も、しどろになって、 「散歩でございます。」 「わざわざ、ここの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えなければならなかった。百日の期限が過ぎて仇のゆくえが知れない暁には、自分たちの不首尾は眼に見えている。一体江戸にいるか居ないか確かに判りもしないものを、日限を....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
党は勇作、中間は半蔵と勘次と源吉。主人の今宮さんは今年三十一で、これまで御奉公に不首尾もない。勿論、首尾のわるい者では大阪詰にはなりますまいが、先ずは一通りの武....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いが、喰わそうが喰わすまいが、一雪の勝手だから、そんな事は構っちゃいられん。……不首尾重って途絶えているけれど、中洲より洲崎の遊女が大切なんだ。しかし、心配は要....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
計は安祥旗本、将軍|家斉のお気に入りであった。それが何かの失敗から、最近すっかり不首尾となった。そこで主計はどうがなして、昔の首尾に復ろうとした。微行で浅草へ行....
剣侠」より 著者:国枝史郎
もりかしら」 こう云ったのは源七であった。 「上尾街道の一件以来、あいつ親分に不首尾だものだから、気を腐らせて生地なかったが、そいつを挽回しようてんで、何か彼....
人狼」より 著者:岡本綺堂
よ おお、戻られましたか。きょうはどうでござりました。 弥三郎 いや、相変らずの不首尾で、山又山を一日かけ廻っても、狼の足あとさえも見付からない。(持ったる小鳥....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
る余地はない。この恋は叶わぬものと小坂部はすぐにあきらめた。侍従も薄々はきょうの不首尾を覚っているらしく、かれは若い姫の慧しいひとみの光りを避けるように、小さく....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いう事をやるのですから、それをあまり喧しく言うとかえってその喧しく言い出す僧官が不首尾になって来るものですから、その儘打棄ってある。多い小僧の中には面白半分にそ....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
すがのがんばり翁もその自家窯何回かの失敗に教えらるところあり、最初の空想は事実上不首尾におわったことを自覚し、これが幻滅を感じられたらしく、仁清再現の企図だけは....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
張で、だぼ沙魚を対手にしてる連中と、違い無いさ。随分永らく釣を行った癖に、今夜の不首尾は、自分ながら呆れるよ。それやこれやに就て、思えば思う程、浅草の方は感心で....