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与ふ
「与ふ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
与ふの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「碧眼托鉢」より 著者:太宰治
った男、エリオットの、文学論集をわざと骨折って読み、伊東静雄の詩集、「わがひとに
与ふる哀歌。」を保田与重郎が送ってくれ、わがひととは、私のことだときめて再読、そ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
清三の日記は次のごとく書かれた。 明治三十七年 一月一日――新しき生命と革新とを
与ふべく、新しく苦心と成功と喜びと悲しみとをくだすべく新年は来たれり。若き新年は....
「白くれない」より 著者:夢野久作
を重ねし身。天下、身を置くに処無し。流石法体の身の、かゝる処に来合はせし事、天の
与ふる運命にやあらんずらん。われと解きし赤縄の糸の、罪に穢れ、血にまみれつゝめぐ....
「「土」と当時の写実文学」より 著者:宮本百合子
病弱で退学し『新小説』などに和歌を投稿しはじめた。 正岡子規が有名な「歌よみに
与ふる書」という歌壇革新の歌論を日本新聞に発表したのは明治三十一年であった。当時....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
らば財《たから》を惜《おしむ》べからず。但し我気に入りたるとて用にも立ぬ者に猥に
与ふべからず。 此一章は下女の取扱法を教えたるものにして、第一に彼等の言うこ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
女あり。台所の流しもとに布を張り、流るる飯粒を防ぎて己が食となし、己の食を乞食に
与ふ。遂に生身の大日如来と化生し、流し板より光明を発したりと。霊像並びに流し板は....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
しくもある。これはこころがけていても、たやすくは出来がたいことであろう。 「妓に
与ふ」と題した自作の歌を自書して、簡単に表装したのを壁にかけてある。その軸物にお....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
るが故に、その画面は一見甚だ清楚《せいそ》にして乱雑ならず、常に軽く軟かき感情を
与ふ。ジイドリッツ曰《いわ》く、春信の用ゆる色は皆曇りたる色なり。彼は色彩の効果....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、しとねもあらぬ板の間に、こゞえ縮みつ苦しまん、友をおもへばたゞ涙
食糧を誰の
与ふらん、ボウダの国のひとやには、日々に一度の食事さへ、片手にぎりの焼麦粉より、....
「蓮月焼」より 著者:服部之総
何《いかに》せば可ならんを問ふ。尼すなはち陶を作らしめて躬《みずか》ら歌を題して
与ふ。蓋《けだ》し尼の製陶を模する者数十名、ために糊口を得るは尼の悦ぶところなり....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
所を通りかゝりたる、三匹目の馬の尾を、切て用ふるなり。其馬に供餅一膳と銭十二文を
与ふ。然れども其馬は命短しとて皆之を厭ふ』と載せてある。獅子の鼻毛に馬の尻尾は、....
「山の人生」より 著者:柳田国男
絵にかける夜叉の如し。何を尋ねても物言ふこと無く、只にこ/\と打笑ふのみ也、食を
与ふれども食はず水を
与ふれば飲みたり。遍く里人に尋ぬれども、仔細を知る者無し。一....