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与太郎
「与太郎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
与太郎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
などはどうでも構わんと思ったが、盗難品は……と云いかけてあとが出ないのはいかにも
与太郎《よたろう》のようで体裁《ていさい》がわるい。人が盗まれたのならいざ知らず....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ろは調べてない。つまり今まで目標として研究したのは純プロ階級の江戸ッ子……熊公、
与太郎、ガラッパチの旧跡で、ブル階級のそれではない。 ブル階級の江戸ッ子……す....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
――何と仰言《おっしゃ》られる名前でしたかな」
「はい、この松岡長吉でも」と門田
与太郎は同輩の男を示して阿賀妻に紹介した。「たたき大工くらいにはやって見せられま....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
ある。白木屋の火事の時に、屋上が焼け落ちるかもしれないと言っておどかす途方もない
与太郎があったそうであるが、鉄筋コンクリートの岩山は火には決して焼けくずれない。....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
広く被害性大衆に一大感動を与えたことだった。この記事を読んで会員の一人である掏摸
与太郎は慨歎した。「するてえと、電車の中で五百円紙幣を稼ぐためには、おいらは背中....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を、わたしが四谷の神尾様という旗本のお邸へ御奉公に上げましたところが、そのお邸に
与太郎とか与八とかいう馬鹿がいて、どうでしょう、お松はその馬鹿に欺《だま》されて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、よんどころないことが出来まして、それ故まことに……」 「人もあろうに、風呂番の
与太郎とやらいう足りない男と逃げたというじゃないか」 「どうも申しわけがありませ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
代の赴くところを看破した眼力によるところはないぢやないか。こんな時代ぢや、落語の
与太郎がもうけますよ。満員列車にのしこんでお米を担いでくりや、重役の月給の何倍ぐ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
った物はこわれる。人間は死ぬ。色即是空。これじゃ出家遁世する以外に手がない。 「
与太郎じゃねえか。大きくなったな。いくつになった？」 「きいて、どうする」 「年....
「狸と与太郎」より 著者:香倶土三鳥
与太郎は毎日隣村へ遊びに行って、まだ日の暮れぬうちに森を通って帰って来ました。 ....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
ほめていられたが、「石返し」の二度めにそばやの行燈に書き換えたのをうっかり忘れた
与太郎が泣き声で「お汁粉ゥ」と言い、「しるこじゃねえや」と伯父貴に剣の峰を食わさ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
ら手前のところはあとと色の変りをますようお笑いの多いところをと、「にゅう」という
与太郎のでる噺を相変らず地味な話し口ではあるが、克明に演って引き下がっていった、....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
っても、むらくの一番ありがたいのは、あの「ふ、ふ、ふ、ふあーっ」と、会話のなかで
与太郎や生酔が随所に突拍子もなく叫ぶあの味である。「ふ、ふ、ふ、ふ、ふあーっ」と....
「鎖ペンを握って」より 著者:種田山頭火
ら若い人が混ぜ返す。――こういう心持をおどけた態度でうたってみた。断るまでもなく
与太郎の囈語《たわごと》みたいなものである。本号の雑録があまり淋しいから、筆序に....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
るきり出ないことだった。初めのうちは小さい声で回っていたが、それこそ落語にある「
与太郎のかぶら売り」みたいなもので、さっぱり売れない。「これではならじ」と、ある....