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世才
「世才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世才の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
めた。 都会の中央へ戻りたい一心から夢のような薫少年との初恋を軽蔑し、五十男の
世才力量に望をかけて来た転機の小初は、翡翠型の飛込みの模範を示す無意識の中にも、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
お世辞でなく、彼は私などよりよい素質を持って生れた画家です。なるほど私は、彼より
世才もあり金儲けの術も知っています。だが、素質に於ては到底年少の彼に及びません。....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
害う 世の中に病ちょう者なかりせば男心のやさしかるまじ。髭先のはねあがりたる当
世才子、高慢の鼻をつまみ眼鏡ゆゝしく、父母干渉の弊害を説まくりて御異見の口に封蝋....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
してそこに立ちつくしていたが、しかたなしに泣きながら家へ返った。 この周の弟は
世才がないので家を治めてゆくことができず、数年の間に家がたちまち貧しくなった。そ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
新たな友情を結びたくなかった。彼はベレニー伯爵夫妻をも、味方だと自称する多くの当
世才士らと同様だろうと想像した。そして彼ら二人に会おうとは少しも努めなかった。む....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
るのです。――あなたは人間を成功させるための賢さはみんな持っている。――ところで
世才はおありですか?」 私はそのぶしつけな質問に、思わず笑わずにはいられません....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ど、だんだん深味に足を踏み込んで取返しのつかぬ始末となるのです。先方の番頭は充分
世才に長じ、人情の弱点を心得ているから、決して初めからお金などを持っては来ないの....
「予言」より 著者:久生十蘭
てきた。一面、洒脱で、理財にも長《た》け、落合にある病院などもうまくやり、理知と
世才に事欠くように見えなかったが、内実は、悪念のさかんな、妬忌《とき》と復讐の念....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
チンダルはファラデーの後任として王立協会の教授になった人で、講演が上手であり、
世才もあり、有名だった人である。この本はおもに研究の方面からファラデーの事を書い....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
にしか見えない。その方の着物を拵えるにはいつも二枚分いるです。人を見るの明あって
世才に富んで居るにかかわらず非常に親切でまた義に富み、決して人を欺くというような....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
おきて、同じ時候に他とは違い悩め困しませらるるものぞや、取り分け職人仲間の中でも
世才に疎く心好き吾夫、腕は源太親方さえ去年いろいろ世話して下されし節に、立派なも....
「教育の最大目的」より 著者:新渡戸稲造
の人生に接して進み、世界人類に貢献する底《てい》の人物を造る事に在《あ》るなり。
世才《せさい》ある風の任意《まにまに》漂《ただよ》い行く意味にあらずして、世界の....