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「世継〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世継の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猿小僧」より 著者:萠円山人
貴《たっと》い人々の子供ばかりで、中にも一番小さい七つになる児《こ》は天子様のお世継ぎの太子様であった。或る日、十三人は揃って川遊びに行った途中、お伴の者の船に....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
一 いやあのようなお身持ちでは御勘気の解けぬが当然と思います。あのようなお子がお世継ぎとあっては当流の名にもかかわります。 僧二 普教のさわりにもなろうと思われ....
日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
うと、十四世紀にある親王様が輸入された説もある。そうかと思うと『源氏物語』や『続世継』などに尺八の名があり、さらに上宮太子が尺八を吹かれたという話がある、シナに....
芭蕉について」より 著者:宮本百合子
への疑いにみたされていた桃青にどのような感想を与えたであろうか。近松門左衛門の「世継曾我」が上方で華やかな世評を喚起したのもこの前後であった。京都生れの武士であ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
眼を白く剥いて死んでいた。 これは実に内藤家にとって容易ならない打撃であった。世継ぎの若君が変死したとあっては、上に対しても面伏せである。 「何者の所業! ど....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
の影に声澄みて、 「――その時あま人|申様、もしこのたまを取得たらば、この御子を世継の御位になしたまえと申しかば、子細あらじと領承したもう、さて我子ゆえに捨ん命....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かたづけて、この新生活に入ってしまったのです。 それは上述の如く、結婚以前に、世継《よつぎ》が定まる機会を待って、この事あるべき充分の理解が届いていたから、当....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったるそうな」 「水戸様の奥向は大変なことだってなあ、で、以前一ツ橋様なんぞがお世継《よつぎ》になろうものなら、それ、あの親子して狒々《ひひ》のように大奥を荒し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その頃、中天竺に阿育大王《あいくだいおう》とおっしゃる王様がございまして、そのお世継《よつぎ》が倶奈羅太子《ぐならたいし》と仰せられました、一国の太子とお生れに....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
爽やかになって、ふらふらと今にも飛び出しそうに見えた。 「阿Qの罰当りめ。お前の世継ぎは断えてしまうぞ」遠くの方で尼の泣声がきこえた。 「ハハハ」阿Qは十分得意....
南国太平記」より 著者:直木三十五
れることになったのであった。病間夜詰と、きまった時、仙波八郎太は 「寛之助様は御世継ぎじゃで、もしものことが、おありなされたら、ここの敷居を跨げると思うな」 ....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
したところで、癩病の筋なんか全く困る」 「それはそうで御座いますねえ」 「どうも世継の若様が眉毛が無くッては、二千八百石は譲られない」 家の相続、系統上の心配....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
びやっても実らぬこころみではあったが、先生が一篇の詩をつくり、ヴァン・タッセルの世継ぎ娘に捧げようとしたのだった。この魔術の書物と詩の書き散らしとは、ただちにハ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
中心に藤氏の栄華の歴史が書かれると、それは『栄華物語』である。その同じ主題が大宅世継の昔話として書かれると世継物語ともいえたし『大鏡』ともいえた。世継物語とは歴....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
のだ。知っているからこそお前に相談をするのだ。実はあの朝太郎というお子は、殿のお世継の吉松様という方なのだ。さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっと....