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世評
「世評〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世評の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》らかな調子でこう言いながら、うやうやしく頭を下げた。これが、当時八犬伝に次いで
世評の高い金瓶梅《きんぺいばい》の版元《はんもと》を引き受けていた、和泉屋市兵衛....
「或る女」より 著者:有島武郎
ら、どう工面《くめん》しても必ず送付するから、一日も早く倉地氏の保護から独立して
世評の誤謬《ごびゅう》を実行的に訂正し、あわせて自分に対する葉子の真情を証明して....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
ていない。わしと内匠頭の喧嘩は、七分まで向うがわるいと思っている。それを、こんな
世評で白金へ引き移ったら、吉良はやっぱり後暗いことがあるといわれるだろう。わしは....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
り立ててくれた。 が、忠次郎は怏々として楽しまなかった。その上、兄弟についての
世評が、折々二人の耳に入った。それは、決して良い噂ではなかった。二人は、敵を見出....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
むす子の手紙の一――今お母さんの手紙受取りました。お母さんが自分の書いたものの
世評に(たとえば先々月号の××に載ったような)超然としていると聞いて、すっかり安....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
決闘を挑まれたにもかかわらず、不関気な顔をしたと云うので、それが嘲笑の的となり、
世評を恥じた結果だと云われている。しかし、同じ運命はその二年後にも、一人取り残さ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
苔の下に土も枯れ、水も涸いていたんですが、近年他国の人たちが方々から尋ねて来て、
世評が高いもんですから、記念碑が新しく建ちましてね、名所のようになりました。それ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
黒人らしくなかったと聞いている。 また……ああ惜しいかな、前記の閨秀小説が出て
世評一代を風靡した、その年の末。秋あわれに、残ンの葉の、胸の病の紅い小枝に縋った....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
仲蔵以来の出来と称せられて、やはり富吉町の新三宅が呼び物となっていた。しかも私は
世評の高い割合に、この場を面白いとは感じなかった。先入主の関係があるのかも知れな....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
』のような名篇を続出して、盛名もはや京伝の論ではなくなっている。馬琴としては区々
世評の如きは褒貶共に超越して顧みないでも、たとえば北辰その所にいて衆星これを繞る....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ゃ。少長どのは、まことに至芸のお人じゃ。われらには、怖ろしい大敵じゃ」と、只一人
世評を斥けたのであった。 二 果して藤十郎の評価は、狂っていな....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
半ばするという程度であったらしい。かの『続々歌舞伎年代記』には、この二番目狂言“
世評よからず”とある。それが本当であったかも知れない。 初陣の不覚は生涯附き纏....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
本田の翫弄にならないでかえって本田を翫弄にしたかも知れない。恐らくこの女は当時の
世評嘖々たる『浮雲』を読んだに違いないが、自分がお勢のモデルであるとは気が附かな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
私は命にかけてもこの牢獄から脱出しなければならぬ」と書いた。とはいえ、彼に対する
世評は、その個人的な勇敢さによって、とり返された。彼はルウアンの総督に向かって、....
「ラスキンの言葉」より 著者:小川未明
冷徹たる批評眼の前に、真相を曝らし、虚飾を剥がれずには置かれぬだろう。 一時の
世評によって、其等の作家は全集ともなり、文化を飾るに過ぎぬのである。もし其の暇と....