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世話人
「世話人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世話人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
さ》ら寒く暗いものにしていた。仁右衛門を案内した男は笠井という小作人で、天理教の
世話人もしているのだといって聞かせたりした。
七町も八町も歩いたと思うのに赤坊....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
美人は片すみにありて、応募の最終なりき。隗の帽子は巡回して渠の前に着せるとき、
世話人は辞《ことば》を卑《ひく》うして挨拶《あいさつ》せり。 「とんだお附《つ》....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、それでも気をおつけよとお内儀さんは注意した。お光は橋場の寮を出て深川へ行った。
世話人がいるとか居ないとかいうので、お光はしばらくそこに待たされた。二十両の金を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
悔悟している教重を寺社方へ引き渡すのも可哀そうだと思って、兼松は寺の役僧や開帳の
世話人らに内分の計らいを云い聞かせると、彼等も異議なく承知した。こんなことが世間....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
かえで 身を売るのがどのようなものか私はよく知らなかったのよ。十四の年ですもの。
世話人が来て京に出て奉公すればたくさんお銭がもらえると勧めたのよ。おかあさんはや....
「画学校時代」より 著者:上村松園
京都画壇連合の月並展覧会が、今の弥栄倶楽部の辺にあった有楽館でひらかれましたが、
世話人がお寺や好事家から借りて来た逸品の絵を参考として並べましたので、私には大変....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
に近間の山寺へ――浜方一同から預ける事にしました。が、三日も経たないのに、寺から
世話人に返して来ました。預った夜から、いままでに覚えない、凄じい鼠の荒れ方で、何....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
です。 その市女は、芸妓に限るんです。それも芸なり、容色なり、選抜きでないと、
世話人の方で出しませんから……まず選ばれた婦は、一年中の外聞といったわけです。 ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
里がやっぱりロアールの田舎だからなのよ。今年の春あたしが国へ帰って、偶然あの娘の
世話人に頼まれて、巴里へ連れて来たのよ。いつもあなたからカテリイヌのことを聞かさ....
「明日」より 著者:井上紅梅
図をして、一串の紙銭を焼き、また腰掛二つ、著物五枚を抵当にして銀二円借りて来て、
世話人に出す御飯の支度をした。 第一の問題は棺桶である。單四嫂子はまだほかに銀....
「春」より 著者:岡本かの子
い、喰べもののまずい病院から引き取って世話をしたと言ったまででは、極々当りまえの
世話人根性のようだけれど、その実、気違いの京子と暮す事は何という気遣いな心の痛む....
「瘤」より 著者:犬田卯
んだから……」 すると、 「事業やってねえわけでもねえけんど」と古くから組合の
世話人をやっている半白の老人が弁解するように言った。「肥料の配給、雑貨の仲つぎ…....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、当時江戸では今の榛原よりは一層手広く商売した馬喰町の扇面亭というが専ら書画会の
世話人をした。同じ町内の交誼で椿岳は扇面亭の主人とはいたって心易く交際っていて、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
で、衆人に堂内参観を許す。 国教宗の寺院にては必ず俗吏を使用す。通例一カ寺に、
世話人二名、副
世話人四名、掃除人一名あり。寺院の会計は
世話人これを摂理し、住職こ....
「「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
と平安朝の墓場たる佐比・石原の地であったことから、これらの部落はおそらくは墓処の
世話人に起因したという風に考えてみれば、仏葬の墓守が同時に屠者ではありえないとい....