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「世話好き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世話好きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の見送りに来たはずの五十川《いそがわ》女史は先刻から田川夫人のそばに付ききって、世話好きな、人のよい叔母《おば》さんというような態度で、見送り人の半分がたを自身....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
いになり、市中の電気器具店廻りをしていたが、ふと蒔田が同郷の中学の先輩で、その上世話好きの男なのに絆《ほだ》され、しばらくその店務を手伝うことになって住み込んだ....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
《きょうだい》はふたたび元のさびしい孤立のすがたに立ちかえった。 それでも或る世話好きの人がお玉さんに嫁入りさきを媒妁しようと、わざわざ親切に相談にゆくとお玉....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
後に師匠をやめて、やはり大和屋の世話で芝の方へ縁付きました。大和屋の主人は親切な世話好きの人でした。 和泉屋は妹娘のお照に婿を取りましたが、この婿がなかなか働....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
十二 はずれの旦那という人は、おとよの母の従弟であって薊という人だ。世話好きで話のうまいところから、よく人の仲裁などをやる。背の低い顔の丸い中太りの....
深夜の市長」より 著者:海野十三
うまうま一杯欺された。お照という女は、酔っては怒りやすく、醒めては濃厚すぎるほど世話好きになるまことに困った女である。 寝ていたところは、丸の内十三号館の街の....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
って、お玉さんの兄妹は再び元のさびしい孤立のすがたに立ち帰った。 それでも或る世話好きの人がお玉さんに嫁入りさきを媒妁しようと、わざわざ親切に相談にゆくと、お....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
利喜太郎とやはり高等学校を同じゅうした、ずっと後進なのだ。彼は後に身を誤ったが、世話好きな豪傑肌の男だったと見え、よく友人の尻拭などをしてやったもので、或る時友....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
めたのが縁で却ってだんだん唄うたいの仲間と馴染が出来てしまった。それに彼の生来の世話好きが手伝って彼はとうとう唄うたいの仲間の世話役になってしまった。 いま巴....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ない。スポーツには全然縁のない男だ。しかし、極端に新しがり屋の珍し好きで、それに世話好きであるから、クロールという新型の速力に驚いて、なんとなくジッとしていられ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
殊勝な心に傾いているようでございます。しがない暮しはしておりますが、物分りのよい世話好きなどと多少は人様にも信用され、人柄を見こんで目をかけて下さるお客様もおい....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に後事を託す筈はない。たとえば兄の根木屋長助がカタギの商人で、世間では信用のある世話好きであるにしても、亭主の平作の目から見て他人の方に近ければ、杉代の目にもそ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
活の遊説に、頼まれもせず手弁当で巡回して歩くような、悪く云えば宗教タンデキ家的な世話好きが続々現れたようだ。復活切支丹の先覚たる光栄に酔っぱらったとでもいうのか....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
があったらと心懸けていますと、森の於菟さんが里子に行っていた平野という家の老婆が世話好きで、田舎の方に心当りがあるというので頼んで置きましたら、或日のこと、三十....
徹底的な浜尾君」より 著者:甲賀三郎
秋霜烈々たるものを感ずる事が多かったらしい。私がここに浜尾君が非常に親切で、且つ世話好きな半面を持っていたといったら、意外に感ずる人があるかも知れない。 鋭い....