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両
「両〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
遠いものを眺めている。
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膝の上に組んだ看護婦の
両手。前になった左の手には婚約の指環が一つはまっている。が、指環はおのずから急に....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
田をふり返った。
「莫迦《ばか》な。あの女は友だちの囲いものなんだ。」
和田は
両肘《りょうひじ》をついたまま、ぶっきらぼうにいい放った。彼の顔は見渡した所、一....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
空に迷って、朧《おぼろ》げな日ざしはありながら、時々雨の降る天気であった。二人は
両方に立ち別れて、棗《なつめ》の葉が黄ばんでいる寺の塀外《へいそと》を徘徊《はい....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かな満足の情と共に、味わう事が出来たのであろう。が、現実は、血色の良い藤左衛門の
両頬に浮んでいる、ゆたかな微笑と共に、遠慮なく二人の間へはいって来た。が、彼等は....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
うという計略は、すぐに見破られてしまうでしょう。ですから妙子は一生懸命に、震える
両手を組み合せながら、かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったように、見....
「狂女」より 著者:秋田滋
令を下した。 するとまもなく、幾たりかの兵士が、負傷した者でも運ぶように蒲団の
両端をになって、その家から出てゆくのが見えた。すこしも形の崩れぬ寝床のなかには、....
「墓」より 著者:秋田滋
のヴァンサンは、やにわにその浅ましい男に躍りかかると、たちまち組み伏せてしまい、
両手を縛りあげて、その男を交番へ引ッ立てて行った。 その男は町の弁護士で、まだ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
れば弱くなりがちな自分の勇気をかきと云って聞かせるために綴るのだ。 私は素朴な
両親にそだてられた。彼らは何ごとに依らず物ごとを信じ切っていた。私もやはり
両親の....
「初雪」より 著者:秋田滋
ば、彼女は「あんな人のところへ行くのは厭だ」と云いたかったのであろう。けれども、
両親の意に逆らうのもどうかと思う心から、ただ頸をたてに掉って、無言のうちに「行く....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
熱さを加え、立売の西瓜日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚りて眺むれば、
両岸の家々の火、水に映じて涼しさを加え、いずこともなく聞く絃声流るるに似て清し。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
星術も学んだという人である。 一八〇四年にミケルは十三歳朝早く御用を仕舞って、
両親と教会に行った。この教会との関係はミケルの一生に大影響のあるもので、後にくわ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
、往ったり来たりして歩いているのです。私はよく部屋の窓から、この感傷的な少年が、
両手を腰のうしろに※して、首をうなだれて、淋しそうな足どりで歩いている姿を見かけ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
彼の容姿にぴったりしていた。背は高いが、ひどく細く、肩幅はせまく、腕も脚も長く、
両手は袖口から一マイルもはみだし、足はシャベルにでもしたほうがいいような形だった....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
だてがなかったのである。彼はいま妻を迎えようとしていた。そして自分の妻になる女を
両親に引き合わせた。気だての優しい、容色もなかなかいい女だった。 老人夫婦が代....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
浪人が二人あげられた。が、証拠があがらなかった。 九月二日―― 殺された子の
両親が私に面会に来た。彼等はおいおい泣いていた。ああ。 十月六日―― 何も得....