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両棲
「両棲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両棲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
河童には往来も同様ですから。」
僕は河童《かっぱ》も蛙《かえる》のように水陸|
両棲《りょうせい》の動物だったことに今さらのように気がつきました。
「しかしこの....
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
ひもどいてみた様子である。私の顔を見るなり、 「なんだ、こないだの一物は、あれは
両棲類《りょうせいるい》中の有尾類。」わかり切ったような事を、いかにも得意そうに....
「交尾」より 著者:梶井基次郎
科学の教えるところによると、この地球にはじめて声を持つ生物が産まれたのは石炭紀の
両棲類《りょうせいるい》だということである。だからこれがこの地球に響いた最初の生....
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
うち》に御見えになる若い方とは違って、どっちかというと中途半端の教育を受けた海陸
両棲動物のような怪しげなものでありますが、私らのような年輩の過去に比べると、今の....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
たまま立ちあがったものがある。人だ。さてはジメネスのいうのは嘘ではない。人類の、
両棲類ともいう沼底棲息人――。秘境『|蕨の切り株』とともに数百万年も没していた怪....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
樹のような積雲は、方々が頽れて、谷底へと揺落してしまう、そうしてその分身が、水陸
両棲の爬行動物のように、岩を蜿ねり、谷に下って、見えなくなる。 空は高くなって....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
どんよりと赤い。その水の中に、何か泳いでいる。小さな魚のようでもあり、そうでなく
両棲類《りょうせいるい》か爬虫頚《はちゅうるい》のようでもある。それがモの下から....
「海底都市」より 著者:海野十三
れもこれもどす黒く、そして醜怪《しゅうかい》な形をしていて魚らしくなかった。魚と
両棲類《りょうせいるい》の合の子としか見えなかった。 ふだんは何一つ光の見えな....
「火星探険」より 著者:海野十三
ある。それは鰐《わに》と蜥蜴《とかげ》と蛙《かえる》だ」 「爬蟲《はちゅう》類と
両棲《りょうせい》類ですね」 「うん、もう一つ、牛が割合に耐えたよ。その次の実験....
「襟」より 著者:ディモフオシップ
の日の事はまだよく覚えている。朝応用美術品陳列館へ行った。それから水族館へ行って
両棲動物を見た。ラインゴルドで午食をして、ヨスチイで珈琲を飲んで、なんにするとい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ニイ――のまんだりん仮装舞踏曲であることが一層うなずけよう。BAH! 年老いた
両棲動物がリスボンだ。かれは海と陸に跨がって、いつも口いっぱいオゾンを呑吐してい....
「夢の図」より 著者:豊島与志雄
行動遅鈍なものに帰着する。そういうものとしてさしあたり、亀、蝦蟇、蝦、蟹……水陸
両棲類におちつく。それらのものが雑居する場所を仕切る竹の垣根と、垣根の一部に見透....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ロが評したような人物に、ルナンは属していた。フランスの選良な人々は皆、この水陸|
両棲《りょうせい》的な信条に心酔していた。精神の遊惰と性格の柔弱とは、それをいい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の態度を別に感謝してもいなかった。 もっともいけないことには、彼女はその水陸|
両棲《りょうせい》的な世界のうちに、あらゆる曖昧《あいまい》をきらう全き心をもっ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ーを取り囲んでいる田舎において、そうである。郊外を観察することは、すなわち水陸|
両棲物《りょうせいぶつ》を観察することである。木立ちの終わり、軒並みの初まり、雑....