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両極端
「両極端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両極端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
戦 前に述べた「無言の正札主義」と「おしゃべりのゴマカシ流」とは、現代式営業の
両極端を見せている事になる。これに観音様の「無言の無正札」式営業振りと、境内の乞....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
異にし、支持する勢力を異にし、地方的な気質と見解とをも異にしていた。あらゆる点で
両極端にあったようなこの東西両藩の間にはさまれていたものが尾州藩だ。もとより尾州....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
う。そこにあったものは、肉体を苦しめる難行苦行と、肉体的なよろこびの崇拝と、その
両極端の不思議に結びついたもので、これは明らかに仏教の変遷の歴史を語り、奈良朝以....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
味する。それで、もしや、拡散も波動も概括するような一つの大きな体系があって、その
両極端の場合が不減衰波動と純粋な拡散とであって、その中間にいろいろなものが可能で....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
首と自分の手首とでは、手首の曲がる角度の変化の範囲はほぼ同じであるが、しかしその
両極端の位置、従ってその平均の位置における角度がかなり著しく違うということに気が....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
べきではないだろうが、多少の重軽が問題になるならとに角、甚だ重いと甚だ軽いという
両極端が対立するのはどうした現象だろう。こういう事件になると社会の通念もあまり当....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
て、冒険に対する自分の能力の範囲の広大なことを表現するものである。なるほど、この
両極端の間には、随分広大で包括的な問題の範囲がある。スクルージのためにこれほど大....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
穏和しいようでございました。で、若し松竹梅と三つ並べて見たら、強いのと弱いのとの
両極端が松と竹とで、梅はその中間に位して居るようでございます。 それから菫、蒲....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
史上最も不思議な会戦である。ナポレオンとウェリントン、彼らは互いに敵ではなくて、
両極端である。対偶《アンチテーズ》を好む神も、かつてこれほどはなはだしい対照とこ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、屋根裏に隠されてる痛ましい困窮があるとともに、また熱烈なるまれなる知力がある。
両極端相接するの危険は、ことに困窮と知力との
両極端をもってする時に大である。
....
「どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
んな奴が幅を利かせるだろう。日本は不思議なところだ。善良な人々と、邪悪な人々と、
両極端に別れてるようだ。千代乃の淋しい葬式に対してだって、二通りの眼があった。憎....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
際は、健実な代物ではなかったからである。どこか他の処にいる(そしてそれは、貧富の
両極端からほとんど等距離にあるノートル・ダムの展望塔がその両方ともを見られないく....
「調査機関」より 著者:中井正一
国では、学者というとひどく迂遠であり、また調査マンというとひどく拙速屋であって、
両極端をなしているが、先進国では両者の距離はもっと接近しているようだ。わが国でも....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
他の人は狭いかつ通俗的に考えられている範囲に限ろうとする。フランスにおいてこれら
両極端の意見の間に存する争は、経済学はある所のものの説明であるかまたはあるべき所....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
があった、そのほかにもいろいろ出来事はあったが、この嬉しいことと恐ろしいこととの
両極端の出来事が、深く子供の頭に印象されたのであります。 日の本は地震る国よお年....