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「両目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

両目の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
の身辺に飛び散る砕けた石の砕片《かけら》が、その目を傷つけたためでもあろう。彼の両目は、朦朧として光を失い、もののあいろもわきまえかねるようになっていた。 さ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
一虎あり、晋安王来りしも進む能わず、聡手を以て頭を按《おさ》え地に著《つ》けその両目を閉ざしめ、王を召し展礼せしむとはなかなか豪《えら》い坊主だ。王境内虎災大き....
刻々」より 著者:宮本百合子
毒です」 と云った。自分は一寸でも脳の刺戟を少くするため、額をひやしている手拭を両目の上まできっと下げて置くように頼んだ。 いつもならとうに鼾《いびき》がきこ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
すと、あつい鉄板でできた格納庫の大扉が、ギーッと上にあがっていった。 太刀川の両目が、潜水兜のおくから、異様にかがやいた。 (ふん、あれだな!) 見ると、格....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
があり、それからザラ銭が相当小出しにしてあるところを見つくろっても、無慮百以上の両目は確実なのですから、そこで絶叫しました。 なあに――百の野郎とても、相当に....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
は当時の野蛮な風習が両親を誘って貧乏よりも殺児を選ばせたとしても、この慣行は右の両目的に極めてよく役立ち、そして、事態が許す限り完全にかつ不断に、食物とこれを消....
地上」より 著者:島田清次郎
背をさするのを止めて黙然と立った。複雑な悲哀が彼を囚えてはなさなかった。涙が彼の両目にも溢れて来た。(それを知らぬわけではなかった。深井、許してくれ、知らぬわけ....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
だった。 それ程熱心に読んで来たせいであろう。長屋の敷居を跨いだ時には、馬琴は両目録中の京伝の著作は、年代順に暗記してしまっていた。 だから京伝が「洒落本の....