両親[語句情報] »
両親
「両親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
見すぼらしさを憎んだ。が、それはまだ好かった。彼は只見すぼらしさの為に彼を生んだ
両親を憎んだ。殊に彼よりも背の低い、頭の禿《は》げた父を憎んだ。父は度たび学校の....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
芳の兄も同じことだった。お芳は千円の手切れ金を貰い、上総《かずさ》の或海岸にある
両親の家へ帰った上、月々文太郎の養育料として若干の金を送って貰う、――彼はこうい....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ようやく二年ばかりしか経たない頃でございました。妻は校長の遠縁のもので、幼い時に
両親に別れてから私の所へ片づくまで、ずっと校長夫婦が娘のように面倒を見てくれた女....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
から、ここには何も申し上げますまい。が、中御門《なかみかど》の御姫様は、何しろ御
両親とも御隠れになって、御屋形にはただ、先刻御耳に入れました平太夫《へいだゆう》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だそのころは僕も河童の使う言葉をすっかり理解していなかったのですから。
「しかし
両親のつごうばかり考えているのはおかしいですからね。どうもあまり手前勝手ですから....
「彼」より 著者:芥川竜之介
同じ本所《ほんじょ》の第三中学校へ通《かよ》っていた。彼が叔父さんの家にいたのは
両親のいなかったためである。
両親のいなかったためと云っても、母だけは死んではいな....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
に堕《お》ちるのも知らず、はかない極楽を夢見ている。
しかしおぎんは幸いにも、
両親の無知に染まっていない。これは山里村《やまざとむら》居《い》つきの農夫、憐《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。同時に又そう云う学校を兼ねた食糧や衣服の配給所でもない。唯此処に住んでいれば、
両親は子供の成人と共に必ず息を引取るのである。それから男女の兄弟はたとい悪人に生....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
時であろう。西川はこごみかげんに歩きながら、急に僕にこんなことを言った。 「君は
両親に死なれたら、悲しいとかなんとか思うかい?」 僕はちょっと考えたのち、「悲....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
れば弱くなりがちな自分の勇気をかきと云って聞かせるために綴るのだ。 私は素朴な
両親にそだてられた。彼らは何ごとに依らず物ごとを信じ切っていた。私もやはり
両親の....
「初雪」より 著者:秋田滋
ば、彼女は「あんな人のところへ行くのは厭だ」と云いたかったのであろう。けれども、
両親の意に逆らうのもどうかと思う心から、ただ頸をたてに掉って、無言のうちに「行く....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
星術も学んだという人である。 一八〇四年にミケルは十三歳朝早く御用を仕舞って、
両親と教会に行った。この教会との関係はミケルの一生に大影響のあるもので、後にくわ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
甘かったから、それほど男の心を誘うような女はたちまち彼の気に入り、特に彼が彼女の
両親の邸を訪ねてからそれが強くなったことにふしぎはあるまい。ボールタス・ヴァン・....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
だてがなかったのである。彼はいま妻を迎えようとしていた。そして自分の妻になる女を
両親に引き合わせた。気だての優しい、容色もなかなかいい女だった。 老人夫婦が代....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
浪人が二人あげられた。が、証拠があがらなかった。 九月二日―― 殺された子の
両親が私に面会に来た。彼等はおいおい泣いていた。ああ。 十月六日―― 何も得....