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並べ立てる
「並べ立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
並べ立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ば、端的《たんてき》にこんなものだとはけっして答えない。ただ立派な言葉を秩序よく
並べ立てる。むずかしそうな理窟《りくつ》を蜿蜒《えんえん》と幾重《いくえ》にも重....
「志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
榜する多くの作家が、描かんとする人生の凡ての些末事を、ゴテゴテと何らの撰択もなく
並べ立てるに比して、志賀氏の表現には厳粛な手堅い撰択が行われている。志賀氏は惜し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
棲まないということも不思議ではありますまい。 こうして今更、安房の小さいことを
並べ立てるのは、背の低い人をわざと人中へ引張り出してその身《み》の丈《たけ》を測....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
コルド、シャンゼリゼエから星、そこの凱旋門から森ドュ・ブウロニュの大街――とこう
並べ立てると、外国人――ふらんす人以外の――の多くうろうろ散歩でもしてようもんな....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
ある。それで自然損害の一番ひどい局部だけを捜し歩いて、その写真を大きく紙面一杯に
並べ立てるから、読者の受ける印象ではあたかも静岡全市並びに附近一帯が全部丸潰れに....
「源氏物語」より 著者:紫式部
話をする者があった。また西のほうの国々のすぐれた風景を言って、浦々の名をたくさん
並べ立てる者もあったりして、だれも皆病への関心から源氏を放そうと努めているのであ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ではない生活のあれこれというものの実際の面から御覧になれば、とりあげて一々の例を
並べ立てるまでもないこととしてわかっていらっしゃるのです。そう思うわ。その日の風....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
準備は出来た。彼女が来るのを待つばかりだ。御馳走が少し足りないようだが、この場合、いろんな物をごてごて
並べ立てるのも、却ってさもしい。万事すっきりと、趣味を守ることだ。腹にたまるよう....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
ことに人形、大小さまざま、和洋さまざま、伯母さん親子が作ったものは勿論、硝子棚に
並べ立てるのである。文房具にせよ、その他のものにせよ、仕入れが大切だというけれど....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らに愉快であると思うでしょう。あの老人は怒りっぽい人で、すこぶる巧妙な罵詈雑言を
並べ立てる……あんな人にはこれまでめったに出逢ったことがありません。そこで、彼が....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
する。そして豊作の年がまた来るとその価格が再び下落しないという最も不合理な不平を
並べ立てる。しかし彼等が少しでも考えてみたら、彼等自身の不正な陰謀がなければそれ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
残り爺さんがまだいて、初代の可楽はどうのむらくはどうのと五月蠅《うるさ》いことを
並べ立てる手合が少なくなかった。期せずしてそうした人たちもまた、鬼面人を脅かす斬....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
涙金で引き下がる、そのあとでにわかに元気付いて志丈にいまの「二三の水出し」云々を
並べ立てる喧嘩過ぎての棒ちぎりのほうが、ずうーっと伴蔵らしくはないだろうか。伴蔵....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
い》をとってお徒歩《しのび》に出られるのではあるまいかなどと物識《ものし》り顔に
並べ立てる者も出て来て、この説はかなりに有力になり、今までき印だのきの字だのと呼....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
をいくら飲んでも酔っぱらいもせず、だらだらした面白くもない調子で、陳腐な一口噺を
並べ立てるのであった。家に居ると、朝から晩まで何やら厚ぼったい雑誌に読み耽ってそ....