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「中々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
どんな実験の手伝いをしたかというに、まず甜菜から砂糖をとる実験をやったが、これは中々楽な仕事ではなかった。次ぎに二硫化炭素の実験であったが、これは頗る臭い物であ....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
助《くらのすけ》が、当時は里げしきと申す唄を作った事もございました。それがまた、中々評判で、廓《くるわ》中どこでもうたわなかった所は、なかったくらいでございます....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
中や保吉は二つと猪口《ちょく》は重ねなかった。その代り料理を平げさすと、二人とも中々《なかなか》健啖《けんたん》だった。 この店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
の笑い声を聞きながら、しばらくまた渚から遠ざかる彼等の姿を眺めていた。 「感心に中々勇敢だな。」 「まだ背《せ》は立っている。」 「もう――いや、まだ立っている....
」より 著者:芥川竜之介
子である。 「神仏の御考えなどと申すものは、貴方《あなた》がたくらいのお年では、中々わからないものでございますよ。」 「それはわからなかろうさ。わからないから、....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
も痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、注射でもして頂くとか、――今夜はまだ中々痛むでしょう。どの病気でも楽じゃないが、この病気は殊に苦しいですから。」 ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た。…… 「どうです、この銅版画は。築地《つきじ》居留地の図――ですか。図どりが中々巧妙じゃありませんか。その上明暗も相当に面白く出来ているようです。」 子爵....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
も止めどない啜《すす》り泣きを呑みこみ呑みこみしたものだった。……… 「あの犬は中々利巧だったが、こいつはどうも莫迦《ばか》らしいな。第一|人相《にんそう》が、....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
の欄干《らんかん》が画《えが》いたように、折れ曲っている容子《ようす》なぞでは、中々大きな構えらしい。そのまた欄干の続いた外には、紅い芙蓉《ふよう》が何十株《な....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
かい?」 「うん、玉蘭《ぎょくらん》と言う芸者でね、あれでも黄の生きていた時には中々幅を利かしていたもんだよ。………」 譚は何か思い出したように少時《しばらく....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
月夜に、覆面の者どもを駆り催して、予を殺害《せつがい》致そうと云う趣向のほどは、中々その方づれとも思われぬ風流さじゃ。が、美福門のほとりは、ちと場所がようなかっ....
少年」より 著者:芥川竜之介
のは存外《ぞんがい》彼にはむずかしかった。蓑亀《みのがめ》も毛だけを緑に塗るのは中々《なかなか》なまやさしい仕事ではない。最後に海は代赭色である。バケツの錆《さ....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
ると、明き地にアセチリン瓦斯をともして、催眠術の本を売っている男がある。そいつが中々|※々退却した。こっちの興味に感ちがいをする人間ほど、人迷惑なものはない。 ....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
思って目を醒《さ》ます拍子に危く香炉を落しそうにする。けれども谷中《やなか》へは中々来ない。可也《かなり》長い葬列はいつも秋晴れの東京の町をしずしずと練っている....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
子春はこの御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。その酒盛りの又|盛なことは、中々口には尽されません。極かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から....