中でも[語句情報] »
中でも
「中でも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中でもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
た造花屋《ぞうかや》の飾り窓。造花は皆竹籠だの、瀬戸物の鉢だのの中に開いている。
中でも一番大きいのは左にある鬼百合《おにゆり》の花。飾り窓の板|硝子《ガラス》は....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
前の事で、十分とは参りませんまでも、暮しに不自由はございませんでしたから、同僚の
中でも私などは、どちらかと申すと羨望《せんぼう》の的になったほどでございました。....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ったね。尻は躍るし、目はまわるし、振り落されないだけが見っけものなんだ。が、その
中でも目についたのは、欄干《らんかん》の外《そと》の見物の間に、芸者らしい女が交....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が泥の中で喘《あえ》ぎますやら、いろいろ凶《わる》い兆《しらせ》がございました。
中でも殊に空恐ろしく思われたのは、ある女房の夢枕に、良秀《よしひで》の娘の乗った....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いような気がしたのは、あれほど冷静な学者肌の三浦が、結婚後は近状を報告する手紙の
中でも、ほとんど別人のような快活さを示すようになった事でした。
「その頃の彼の手....
「河童」より 著者:芥川竜之介
葉を覚えてきました。従って河童の風俗や習慣ものみこめるようになってきました。その
中でも一番不思議だったのは河童は我々人間の真面目《まじめ》に思うことをおかしがる....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
因果じゃありませんか。」一々|御尤《ごもっと》もだ。こいつには、可笑《おか》しい
中でも、つまされたよ。
「それから芸者になってからも、お客様をつれ出しちゃよく活....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
一
樫井《かしい》の戦いのあったのは元和《げんな》元年《がんねん》四月二十九日だった。大阪勢《おおさかぜい》の
中でも名を知られた塙団右衛門直之《ばんだんえもんなおゆき》、淡輪六郎兵衛重政《た....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
は白磁《はくじ》の観音像である。が、今田代君が見せてくれたのは、その麻利耶観音の
中でも、博物館の陳列室や世間普通の蒐収家《しゅうしゅうか》のキャビネットにあるよ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
上り列車に乗った。何でもかすかな記憶によれば、調べ仕事に疲れていたせいか、汽車の
中でもふだんのように本を読みなどはしなかったらしい。ただ窓べりによりかかりながら....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
、何故《なぜ》か非常に得意らしい。
「今も似よりの話を二つ三つ聞いて来ましたが、
中でも可笑《おか》しかったのは、南八丁堀《みなみはっちょうぼり》の湊町《みなとち....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、――
半三郎のまず警戒したのは同僚の疑惑を避けることである。これは彼の苦心の
中でも比較的楽な方《ほう》だったかも知れない。が、彼の日記によれば、やはりいつも....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
に、魔法の書物を拡げながら、頻に呪文を唱えていました。書物は香炉の火の光に、暗い
中でも文字だけは、ぼんやり浮き上らせているのです。 婆さんの前には心配そうな恵....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
ある。現代の作家は彼の云う通り大抵この傾向があるのに相違ない。しかし現代の作家の
中でも、最もこの傾向の著しいものは、実に菊池寛自身である。彼は作家生涯を始めた時....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
間に、ファラデーは単に本の表紙だけではなく、内容までも目を通すようになった。その
中でも、よく読んだのは、ワットの「心の改善」や、マルセットの「化学|叢話」や、百....