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中にも
「中にも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中にもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
と同時にまた笠置山《かさぎやま》の方からも、さっと風が渡るや否や、やはりその風の
中にも声があって、
「髪長彦さん。髪長彦さん。私《わたし》は笠置山の笠姫《かさひ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
んだ。小えんは諸芸を仕込ませるのも、若槻に愛のない証拠だといった。僕はこの言葉の
中にも、ヒステリイばかりを見ようとはしない。小えんはやはり若槻との間《あいだ》に....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
斎を新築して、かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをしていました。
「私はこう云っている
中にも、向うの銅板画の一枚を見るように、その部屋の有様が歴々《ありあり》と眼の前....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
がある。のみならず信徒も近頃では、何万かを数えるほどになった。現にこの首府のまん
中にも、こう云う寺院が聳《そび》えている。して見ればここに住んでいるのは、たとい....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
んだん強まって来るばかりだった。僕はいつかこう云う光景は五六年|前《まえ》の夢の
中にも見たことがあったと思うようになった。しかし勿論そんなことは一度も口に出した....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
日と経たない内に、今日か明日かと云う容態《ようだい》になった。彼はそう云う苦痛の
中にも、執念《しゅうね》く敵打《かたきうち》の望を忘れなかった。喜三郎は彼の呻吟....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いるよ。」
「生きている? 誰が?」
そこに長い沈黙があった。時計はその沈黙の
中にも、休みない振子《ふりこ》を鳴らしていた。
「誰が生きているのさ?」
しば....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ないだろう。」
「それがあの頃は、極《ごく》正直な、人の好《い》い人間で、捕虜の
中にも、あんな柔順なやつは珍らしいくらいだったのだ。だから軍医官でも何でも、妙に....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
一しょに、牛を追ったり麦を刈ったり、幸福にその日を送っていた。勿論そう云う暮しの
中にも、村人の目に立たない限りは、断食や祈祷《きとう》も怠った事はない。おぎんは....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
スという詩をよんだ時のような、言いようのないさびしさを感ずるとともに、自分の心の
中にもまた、情緒の水のささやきが、靄の底を流れる大川の水と同じ旋律をうたっている....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は破れたズボンの下に毛だらけの馬の脚を露《あらわ》している。薄明《うすあか》りの
中にも毛色の見える栗毛《くりげ》の馬の脚を露《あらわ》している。
「あなた!」
....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
た。
「彼女たちもまだ帰らなかったんだな。」
Mの声は常談《じょうだん》らしい
中にも多少の感慨を託《たく》していた。
「どうだ、もう一ぺんはいって来ちゃ?」
....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
君の主人公は常に道徳的薄明りに住する閭巷無名の男女なり。是等の男女はチエホフの作
中にも屡その面を現せども、チエホフの主人公は我等読者を哄笑せしむること少しとなさ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
だ茫然たるばかり、面目なきながら深沢に話せば、これも仰天し、「実は伯父ご様の御文
中にも若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを此方へ御預かり申さんとは存ぜしが....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
なく、ファラデー自身の講演をスマートにきいてもらって。 ファラデーの書いた物の
中にも、 「決して句を繰り返すな。 「決して修整するために跡に戻るな。 「ちょっ....