中の重[語句情報] » 中の重

「中の重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中の重の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乞食学生」より 著者:太宰治
ては、聡明な諸君にも、あまり、おわかりになっていない筈《はず》である。その原稿在中の重い封筒を、うむと決意して、投函する。ポストの底に、ことり、と幽《かす》かな....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。実際古代文化民族の宇宙開闢伝説の遺骸のようなものが現代の文明諸国民の宇宙観中の重要な部分となっているのである。 第二の部類のものは、科学の力によって非常....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
や清談家の教えに似ていることを感じないわけにはいかない。道徳経の中にすでに精神集中の重要なことや気息を適当に調節することを述べている――これは禅定に入るに必要欠....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
これがちょうど十八歳、内藤小町とうわさが高いほどな美人だそうなが、七つの年に同家中の重役古島|五郎左衛門の長子六郎次といいなずけの縁を結び、その約束の印にと、右....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を彼らに教えたのも、そういう四人の翁の大きな功績であるからで。 その日、山吹社中の重立ったものが飯田にある有志の家に来て、そこに集まった同門の人たちに賛助を求....
ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
を縫い直したり、また、おかみさんから新しい白足袋を二足もいただき、これまでの胸の中の重苦しい思いが、きれいに拭い去られた感じでした。 朝起きて坊やと二人で御飯....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
言い切って、まごつく金内をせき立て、共に殿の御前にまかり出ると、折よく御前には家中の重役の面々も居合せ、野田武蔵は大いに勢い附いて、おのおの方もお聞きなされ、世....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
などという役者でも決してただのむだな点景人物ではなくて、言わば個性シンフォニーの中の重要な一楽器としての役目を充分に果たしているようである。これに反してヤニング....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
すら、半ばは溶け、半ばは凍った薄汚い霧で先が見えなくなっていた。そして、その霧の中の重い方の分子は煤けた原子の驟雨となって、あたかも大英国中の煙突がことごとく一....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
なければ兎も角も、血気に逸って心得違いをいたすまいぞよ」 と一同を制して、其の中の重立ちたる一人を案内に立たせまして、流罪人取締の屋敷へまいりますると、二三の....
家なき子」より 著者:楠山正雄
スを呼び寄せる呼び子をふいた。 けれどこれに答えるほえ声は聞こえなかった。森の中の重苦しい沈黙を破る物音はさらになかった。カピは言いつけられたとおりにかけ出そ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
とすれば、おそらく、いささか寸分の違いもなさ過ぎたことであろう。彼はその高潔な胸中の重荷を卸してしまったので、つつましげに引下ったであろうが、ロリー氏から遠くな....
剣侠」より 著者:国枝史郎
になった。 この頃知行一万石、石河原東市正のお屋敷において月見の宴が催され、家中の重臣や若侍が、そのお屋敷に招かれていた。 竹腰但馬、渡辺半左衛門、平岩|図....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
科学的に検べるばかりが能ではありません。犯人を科学的な方法で捕まえるのも科学探偵中の重要な部分です。だから僕は、今回の事件で、犯人の科学的逮捕を試みようと思うの....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
に、一括してその仲間に入れられたものの甚だ多い事は明らかで、これ実にエタの諸源流中の重なるものであると言わねばならぬ。しかもその皮細工人はもと皮作の雑戸で、賤民....