中二階[語句情報] » 中二階

「中二階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中二階の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
となしく付いて来たので、半七は彼を大橋ぎわの小料理屋へ連れ込んだ。川を見晴らした中二階で、鯉こくと鯰のすっぽん煮か何かを喰わされて、根が悪党でもない長助は、何も....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
やがて膳を持って顕われたのが……お米でない、年増のに替わっていた。 「やあ、中二階のおかみさん。」 行商人と、炬燵で睦まじかったのはこれである。 「御亭主....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
ープの間隔をおいて、五井から順番に階段をのぼりはじめた。 やがて五井が、階段を中二階までのぼり切った。そのとき、しんがり四本が、階段の第一段に足をかけた。 ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
前の部屋で、やはり正六面体をなしていたし、広さは十坪ばかりのかなり広いところで、中二階のようになった階上がついていて、壁際の斜めに掛った細い梯子によって、昇降が....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。」 「見るんなら内にあるよ。その随筆だがね、足が土についていない。お高く中洲の中二階、いや三階あたりに。――政党出の府会議員――一雪の親だよ――その令嬢が、自....
桃のある風景」より 著者:岡本かの子
、しっきりなしに自分に渇きを覚えさせた。私は娘で、東京|端れの親の家の茶室作りの中二階に住んでいた頃である。私は赤い帯を、こま結びにしたまま寝たり起きたりして、....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
社の滝の下路である。 二 「何か変ったこともないか。」と滝に臨んだ中二階の小座敷、欄干に凭れながら判事は徒然に茶店の婆さんに話しかける。 十二社....
郊外」より 著者:国木田独歩
これを怪しまないほどになった。 梅ちゃん、先生の下宿はこの娘のいる家の、別室の中二階である。下は物置で、土間からすぐ梯子段が付いている、八畳一間ぎり、食事は運....
貞操問答」より 著者:菊池寛
リした。 二階へ上るといっても、女中部屋の脇からの裏階段で、母屋とは棟ちがいの中二階の部屋に案内した。 畳数は六畳で、同じような作りの部屋が二つ並んでいた。....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
」を行うのに医者を兼ねた豊妻可遊と云う男を雇っていた。そして、その場所が奥まった中二階の裏に出来ていて、大矢車のうえした――恰度遊女の頭に当る所には、天井と床と....
火の扉」より 著者:岸田国士
、まだ酒の残りをちびり/\茶わんで飲んでいるものもあつた。 部屋は天井の高い、中二階のある美術家のアトリエである。それも、あちこちにブロンズや大理石の首がおい....
」より 著者:岡本綺堂
うことにして、日の暮れる頃に千住へ廻った。 広くはないが古雅な構えで、私たちは中二階の六畳の座敷へ通されて、涼しい風に吹かれながら膳にむかった。わたしは下戸で....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
たお鉄が早速の投縄で、竜次郎の脱走を留めたので有った。高手小手に縛り上げて、裏の中二階に転がし放しにして、其|傍でお鉄はやけからの茶碗酒を呷りながら、さも口惜し....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
間からかけてある梯子段で向うむきのまま靴を脱ぎ、メリンスのカーテンの垂らしてある中二階へ上って行った。 ――あんなに怒った顔をしていても直ぐに何でもなくなるんで....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
…急げッ!」 4 奥の細道のような楽屋廊下を通って、段々ばしごを中二階へ、水色の筑波澄子嬢へとすっきり染出されたのれんをくぐると、さっき斬られた....