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中位
「中位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中位の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ながら、ほとんど滑稽に近い真面目さを眉目《びもく》の間《あいだ》に閃かせて、
「
中位《ちゅうぐらい》。」と道破《どうは》した。
四人は声を合せて失笑した。
「....
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
書なり」と明言しうる者ははたして幾人あるだろう。 天が与えた才能からいうと桂は
中位の人たるにすぎない。学校における成績も中等で、同級生のうち、彼よりも優《すぐ....
「新生」より 著者:島崎藤村
には極く富んだものと極く貧しいものとが有るだけで、自分の郷国《くに》にあるような
中位《ちゅうい》で快適な生活はないのかとさえ疑った。
朝に晩に旅の思いを比べ合....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
た。饅頭、煎餅、豆平糖、おはぎ、生菓子、黒砂糖飴、白紙に包んだおすし、強飯なぞを
中位の風呂敷一パイぐらい。 もっとも二番目の「七騎落」の遠平になった半ちゃん(....
「光は影を」より 著者:岸田国士
あまりの田圃道を、なんとなくのんびりした気分でゆつくり歩いた。 村としてはまず
中位と思われる農家の玄関に立つと、昼間の屋内には人ッ気がなく、しばらく案内を乞い....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
である。雪国の悲しい特色の一ツであるが、家の造りがいかにも薄く軽く安ッぽいのは、
中位の堅牢さよりもこの方が雪に抵抗し易いせいもあるかも知れない。そして人間がまッ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
のものである。その少し後に、チンダル教授の書いたのには、「ファラデーは身の丈けは
中位より少し低い。よく整っていて、活溌で、顔の様子が非常に活き活きしている。頭の....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
世界に生きている。アッシリヤ亦然り。アッシリヤに聯関してアラビヤ、イラン系の美は
中位の存在として長く今日につづいている。世界の美の源泉として最も猛威をふるってい....
「おせっかい夫人」より 著者:岡本かの子
。 花子夫人は黄い声になり大げさに梯子の必要を前の家の左官のおかみさんに説き、
中位なのを一つ借りて来て男に手伝わせ国枝さんの湯殿の上部の硝子窓に届かせ、少し腰....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
方のことも無論出来るが、或る時、下駄をこしらえた。日和下駄でもなく、足駄でもない
中位の下駄、……晴雨兼帯というので実に奇妙なものだが、これはなかなか経済的、一つ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
した髯を扱きながら、挨拶したのは、べんべらものの被布を着て、煤くすぶりの総の長い
中位な瓢箪を提げている。「御先生様。」「はい、大先生様。」と割込んだ媽々衆が二人....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
の停車場へ出て行く。この停車場は大でもなく小でもなく、わたしにはあまり面白くない
中位のところであるが、それでも汽車の出たあとの静かな気分を味わうことが出来る。堤....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ベット服の大きな裾を上の方に袋形に端折ってその袋の中へ糞を拾い溜めて来たです。で
中位の石を三つ集めて五徳の足のような具合に置いてそこで集めて来た糞を塀のような具....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
めに永遠に働いていてくれ。
お前が雲を送り出して、
何本かの小川を流れ出させて、
中位な川をあちこちうねらせて、
大川を出来してくれなかったら、
山や平地や世界が....