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中入り
「中入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
へ向いたとは、一体どうしたことであろう。 「セントルイス」は京吉の巣であり、一日
中入りびたっていることもある。京都をおさらばする前に寄って行こうと思ったのは、や....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
て来た。あさってが花火という二十六日のひる過ぎで、お絹が例の水色の※※をぬいで、
中入りに一服すっているところであった。 「相変らずお市《いち》か捻鉄《ねじがね》....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、第二流どころの芸人の出席する寄席では、客を寄せる手段として景物を出すのである。
中入りになった時に、いろいろの景品を高座に持ち出し、前座の芸人が客席をまわって、....
「足迹」より 著者:徳田秋声
のようなことを言い合っている二人の素振りには、ずうずうしいようなところがあった。
中入り前に寄席を出ると、その足で蕎麦屋へ入って、それから寒い通りを縺れ合って歩い....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
気づき、後見にまわったお師匠さんの気の張りも強くなる。 こうして一わたりすむと
中入りには菓弁寿の御馳走、娘達はお世辞の言いくらやら、申訳のしあいやらで、小鳥の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た。後日食事に仙人飛び来り、王女自ら迎え抱いて金牀上へ坐せしめた。ここでちょっと
中入りに申し上ぐる。キリスト教では眼で視《み》とれたばかりが既に姦婬同然といい、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
口上が言った。前にも後にも初めての舶来、看板でおどかし、呼込みで景気をつけ、次に
中入り前に、ワザワザ時間を置いて勿体《もったい》をつけて、また改めて口上言いが出....
「源氏物語」より 著者:紫式部
お別れしている苦痛にも堪《た》えきれる自信がないと未亡人は思うので、結局若宮の宮
中入りは実行性に乏しかった。 御所へ帰った命婦は、まだ宵《よい》のままで御寝室....
「源氏物語」より 著者:紫式部
気むずかしく不機嫌《ふきげん》になっていた。 「中宮がはなやかな儀式で立后後の宮
中入りをなすったこの際に、女御《にょご》が同じ御所でめいった気持ちで暮らしている....
「源氏物語」より 著者:紫式部
宮の左兵衛督は南の夫人の弟である。六条院へは始終来ている人であったから、玉鬘の宮
中入りのこともよく知っていて、相当に煩悶をしているのが文意に現われていた。 忘れ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
に於ける一夕の寄席の入費は木戸銭と蒲団と烟草盆あわせて、一人十四、五銭となった。
中入りには番茶と菓子と鮨を売りに来る。茶は土瓶一個が一銭、菓子は駄菓子や塩煎餅の....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
の手さばきのままである。歌の上に於て、我々を喜ばした文芸復興は、これで姑らくは、
中入りになるのであろう。 歌人の享楽学問 この様に考えて来ると、信頼出来る....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
九、的に声あり降参降参という。勝負はなかなかつかない。それで一旦引き分けて|
中入り《アントラクト》になった。 これからの顛末《てんまつ》はもう長々と書きつ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
……………………………。 師匠圓生は今月は身体に楽をさせるとて、麹町の万長亭の
中入りを勤めるだけのことだった。 四谷から麹町、ほんのひと跨ぎだった。 見附....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
総体に江戸茶番の愉しさはこうした可笑味の振りの繰り返しのところにあるといえよう。
中入り過ぎに寅子のチョボで、小仙の松王、海老蔵の源蔵、唐茄子の千代、松太郎の熊谷....