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「中塗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中塗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
地は胡粉と膠で下地を仕上げ、漆で塗ったまま仕上げ、研がないのです。泥地でも上物は中塗りをします。 箔にも種類があって、一つの製品を金にするにも金箔を使うのと、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に蛇が降るところであった。 人烟稀薄な武蔵野は、桜が咲いてもまだ中々寒かった。中塗もせぬ荒壁は恣に崩れ落ち、床の下は吹き通し、唐紙障子も足らぬがちの家の内は、....
猫車」より 著者:宮本百合子
。その新建ちの座敷の縁側には都会風な硝子戸が入っているが、床の間や欄間の壁は今に中塗りのままで何年かを経た。そこまでやりくりがきかなくなったのだけれど、順平は、....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
如く、連作小説の如く、である。 先ず先生がおおよその着想と構図とを与え、下塗り中塗りは大勢の弟子にまかせ、上塗りでさえも大勢の弟子たちがやる事は普通の事とさえ....
細木香以」より 著者:森鴎外
は母の存命中に部屋を落成させようとして工事を急いだ。五年三月に部屋は出来て、壁の中塗だけ済んだ。母はこれに臥所を徙して喜んだが、間もなく世を去った。今わたくしが....
蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
焼跡の中に、土蔵が一つある。この土蔵も、戦災の焔をかぶったので、ずいぶん破損している。上塗りの壁土は殆んど剥落して、中塗りの赤土や繩が露出し、屋根瓦も満足でなく、ひょろ長い雑草が生えて風にそよいで....
曙覧の歌」より 著者:正岡子規
、我ながらをかしさねんじあへて あるじをもここにかしこに追たてて壁ぬるをのこ屋中塗りめぐる 家の狭さと、あるじの無頓着《むとんちゃく》さとはこの言葉書《こ....
久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
に塗る歌舞伎の顔は五分や十分で出来るものじゃない。壁を塗るのと同じ理窟で、下塗、中塗、上塗と三度塗らなければ、ツヤのある綺麗な顔は出来ません。下塗を乾かすために....