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中宿
「中宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
預かりました。二人が一緒に出ては直ぐに覚られるから、おまえは一と足さきに出て、府
中宿の友蔵の家に待ち合わせていてくれ。私はあとから尋ねて行くと、うまく瞞してお大....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
は益々重体だが当人が何分にも肯きませんから、駕籠を傭い、碓氷を越して松井田から安
中宿へ掛り、安中から新町河原まで来ますと、とっぷり日は暮れ、往来の人は途絶えた処....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のを出勤させ、また、人馬の公用を保証するためには権威のある印鑑を造って、それを道
中宿々にも助郷加宿にも送り、紛らわしいものもあらば押え置いて早速注進せよというほ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
それにつづいて天誅組の残党が四方への離散となった。 九月の二十七日には、木曾谷
中宿村の役人が福島山村氏の屋敷へ呼び出された。その屋敷の御鎗下で、年寄と用達と用....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
川第一の妓楼という程ならねど、勤王有志殊に長州志士等の遊興せる家なり。位置は宿の
中宿にありて江戸よりゆけば右側にあり」等は歴史的地理的考証を持つに非れば明言し得....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は、次の話をお聴きくだされば、大抵お判りになるだろうかと思います」 貞女峡
中宿県に貞女峡というのがある。峡の西岸の水ぎわに石があって、その形が女のように見....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
流しがなるべく念入りで按摩も十二分にやらないと不愉快であるという。また一人は旅行
中宿屋の風呂の流しで三助からその土地の一般的知識を聞き出すのが最も有効でまた最も....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
もし主人過分に贏《もう》けて訟《うった》えらるれば死刑に逢う。最も有勢の貴人も旅
中宿屋に彼を招き価を定めて女優を召し酌をさせ、またこれを御するを恥じず。妓輩の主....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
で、弟はまだ生まれて居なかったのである。なお母の話によれば、舟を下りてから吾々は
中宿の稲本家というに立ち寄り、叔母はそこで衣裳を改めたのだ、と云うことである。私....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れた一人の大男、三歳《みっつ》ばかりになる男の子を十文字に背負って、極彩色の花の
中宿《なかやど》の日傘をさし、両国橋の袂《たもと》まで来て、 「もうし、物をお尋....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いる土地は河の向こうにずっと続いていて、ながめのよい別荘もあった。そこに往復とも
中宿りの接待が設けられてあり、大臣もお帰りの時は宇治まで出迎えることになっていた....
「源氏物語」より 著者:紫式部
も道理であるとうなずき、尊い心がけであることをほめなどするうちに日も暮れたため、
中宿りに小野へ寄ることはふさわしい道順であると薫は思ったが、突然に行くのはやはり....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
十一 発覚|拘引《こういん》 古井は直ちに起きて佐賀へ出立の用意を急ぎ、真夜
中宿を立ち出でたり。残るは稲垣と妾とのみ、稲垣は遊び疲れの出でたればにや、横にな....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
り、板鼻町へ入ったとき、さつま芋を五銭ほど買って、三人で分けて食べた。それから安
中宿に続く古い並木を抜けた途上であったと思う。一つの小学校のあるのを発見した。そ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
今一つの記憶は、これももう老婆になっている親類の家内が、嫁に来たときには私の家を
中宿にした。どんなお嫁さんかと思って挨拶に出て見ると、それはそれは美しい細い銀煙....