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中層
「中層〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中層の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
渓がるから、面白半分に端渓た何だいと聞いたら、すぐ講釈を始め出した。端渓には上層
中層下層とあって、今時のものはみんな上層ですが、これはたしかに
中層です、この眼《....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
れない。だが宗教が民衆の或いは寧ろ無知な市民や農民の、阿片だとすれば、スポーツは
中層市民の、或いは特にインテリ市民の阿片なのである。 心理的興奮や生理的興奮が....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
のすら、いたいたしいようだ。しかし、駒鳥の錘を投げるような鋭い声は、沈滞がちな、
中層の空気を引っ掻き廻している。 飯の準備をしているうちに、驟雨が一としきりあ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
! HO・HO・HO! が、機が飛行場を驀出して、すぐそばのアパアトメントの
中層とすれすれに飛び、あけはなした窓をとおして一家庭の寝台、絨毯、机、そのうえの....
「凍雨と雨氷」より 著者:寺田寅彦
から氷結し始めるということは、内部に水や不透明の部分のある事から推定される。また
中層の温暖な層の上に雪雲がある場合には、そこから落ちる雪片の一部は
中層を通る時に....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
の雲を緋に染めた一刻である。ひらひらと水鳥の白羽を道糸の目印につけて、鈎を流水の
中層に流す餌にも山女魚の餌につく振舞に、何とも言えぬ興趣を感ずる。毛鈎の叩き釣り....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
ある。その麗容な岩魚の泳ぐ大きな姿を、晩秋の水の澄んだ真昼に、ときどき村人が淵の
中層に見るという。 七 相俣淵の岩魚は、夜な夜な法師温泉の湯槽に美しい姿を....
「飛沙魚」より 著者:佐藤垢石
。二人は、カンテラの光りで、静かに淵の層を見た。いる、いる。鮎、※、鮠などが淵の
中層で、ぐうぐうやっている。魚類のことであるから、鼾声は聞こえないが、尾も鰭も微....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
方面。下田から伊豆半島の南端長津呂の牛ヶ瀬、神子元島のまわりへ行けば、澄んだ海の
中層に三、四尾ずつつながり合って泳いでいるのを見るが、残念ながら外海の河豚は波が....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
れば見られぬ勇ましさである。 七月末になれば、一尺に近い大物も鈎を背負って水の
中層を逸走する。そして、肉の質もよくて香気も高い。 多摩川は、亡びてしまったと....
「小伜の釣り」より 著者:佐藤垢石
で眼にきくことを、鈎合わせの呼吸などを説いて聞かせた。そして私と並んで、糸を水の
中層に流させたのである。 子供は勘がいい。それに、人の教えをよく守る。十二、三....
「木の葉山女魚」より 著者:佐藤垢石
まで忍び寄ってきた冬に慄いているさまが想えるのである。 そのころ、澄んだ渓水の
中層を落葉に絡まりながら下流へ下流へと落ちていく魚がある。これを木の葉|山女魚と....
「細流の興趣」より 著者:佐藤垢石
込みのしもり釣りとも貝殻釣りともいう。貝殻釣りというのは、玉浮木がフワフワと水の
中層を流れて、あたかも貝殻が底の方へ沈んで行くように見えるからで、あまり早く浮木....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
とは限っていない。季節や日並み、また常食としているところの餌の浮沈によって、海の
中層からさらに上層まで浮いて出てくることがある。これは伊豆網代の味噌鯛や、伊豆南....
「楢の若葉」より 著者:佐藤垢石
のだ。 わずかに、竿先へ煽りをくれて軽く鈎合わせをすると、掛かった。魚は、水の
中層を下流へ向かって、逸走の動作に移った。やはり、水鳥の白羽の動きは、はやの当た....