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中性
「中性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に葉子の心には火のような回想の憤怒が燃え上がった。葉子はその学校の寄宿舎で一個の
中性動物として取り扱われたのを忘れる事ができない。やさしく、愛らしく、しおらしく....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、「いらっしゃァい」剃刀屋のときと違って掛声も勇ましかった。俗に「おかま」という
中性の流し芸人が流しに来て、青柳《あおやぎ》を賑《にぎ》やかに弾いて行ったり、景....
「食魔」より 著者:岡本かの子
とりで夢見たり、遊んだりした。母無くして権高な父の手だけで育ったためか、そのとき
中性型で高貴性のある寂しさがにじんだ。鼈四郎が美貌であることは最初から頓着しない....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が現われた。その瞬間、グイと息詰るようなものが迫ってきた。恐らくこの学識に富み、
中性的な強烈な個性を持った神秘論者は、人間には犯人を求めようのなくなった異様な事....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
けたるものであり、その両性を渾融して、男性でもなく、女性でもなく、しかしけっして
中性ではないところの一種の性を備えたる人間、すなわち原型としての人間(かかる人間....
「海底都市」より 著者:海野十三
なってしまうんです。人体を形成するあらゆる物質――すなわち電子も陽子《ようし》も
中性子《ちゅうせいし》もみんな活動を極度に縮めてしまうので、人間は丸太ン棒と同じ....
「金属人間」より 著者:海野十三
、人工細胞にあてると、それをたちまちばらばらに破壊しさる装置で、強力に加速された
中性子《ちゅうせいし》の群れを、うちだすものだ。かねて博士は安全のために、こうい....
「大脳手術」より 著者:海野十三
。もしそうなら、僕は君にうんといってやることがある」 私は友のけわしい視線を、
中性子の嵐の如く全身に感じた。頭の中の一部が、かあっと熱くなった。 「迎春館? ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
帆村は所員に持たせてあった、サイクロ銃をとりあげ、台尻を肩におしあてた。これは
中性子を利用したすごい透過力のある銃である。あまり遠くまではきかないが、二百|米....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ました。 兎も角も斯んな手続きで生れたのでございますから、天狗というものは全部
中性……つまり男性でも、又女性でもないのでございます。これでは天狗の気持が容易に....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
クッキリと浮出ていて、それが、四十女の情熱と反面の冷たい理智を感じさせる。会話は
中性的で、被害者の家族特有の同情を強いるような態度がない。寧ろ憎々しい迄に冷静を....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
を予期してでもいたように見える。鎌倉期の阿弥陀如来の座像である。それにしても例の
中性的な弱々しい表情もなく、そんなマンネリズムから遠く離れて、しっかりした顔面や....
「光は影を」より 著者:岸田国士
本能が恋愛の代りさ。幼虫を護り養う本能がつまり母性愛の変形だ。要するに、大部分は
中性なんだから、それで満足すればいゝんだよ」 「家族なき社会つていうことになるじ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
さを様式化してはいたが、俳優二人の峻烈な演技――わけても王妃に扮する、衣川暁子の
中性的な個性は、充分装置の抒情的な気息を、圧倒してしまうものであった。 所が、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ですから、性欲の取扱い方もここにおいて非常に大切になって参ります。 子供は大抵
中性です。
中性というのは男性的なところも、女性的なところもあるものです。 それ....