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中手
「中手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
違うのです。ひとたびこうと眼《がん》をつけて詮議の手をのばしたからには、よしや途
中手がかりのつるが切れるようなことがあったにしても、そこからさらに思いもよらぬ新....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
いう訣故《わけゆえ》、野の仕事も今日一渡り極《きま》りをつけねばならぬ所から、家
中手分けをして野へ出ることになった。それで甘露的恩命が僕等|両人《ふたり》に下っ....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
居住者があったという事なんです」 と杏丸は懐中から、罫紙の綴りに、「番匠幹枝狂
中手記」と、題した一冊を取り出した。 「とにかく、院長が書いたこの序文を読めば、....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
方は弱いでしょう、つい私は弱い方の肩を持つ……」 学士は頬と言わず額と言わず顔
中手拭で拭き廻した。 「しかし、高瀬君、どうしてこんなに御懇意にするように成った....
「親子」より 著者:有島武郎
だ。 「もう着くぞ」 父はすぐそばでこう言った。銀行から歳暮によこす皮表紙の懐
中手帳に、細手の鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。スコッチ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ありと唯今目をつけている五人の人物を歴訪して巧みに取ってきたメッセージを、その懐
中手帳から鳥渡失敬して並べてみる。 * * * 「僕は、探偵小....
「家」より 著者:島崎藤村
な兄の前では、いかにも姪の女らしい黙って視ているような様子がツラかった。彼は、夏
中手伝いに来ていて貰った時のような、親しい、楽々とした気分で、この娘と対い合うこ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ます!」 「よし!」と英五郎は決心した。「ともかくも乾児《こぶん》を猟り集め、森
中手を分けて探してみよう! ……しかし名に負う木精《こだま》の森だ、入り込んだが....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
麓路を挟んで、竹の橋の出外れに、四五軒の茶店があって、どこも異らぬ茶染、藍染、講
中手拭の軒にひらひらとある蔭から、東海道の宿々のように、きちんと呼吸は合わぬなが....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
よって私は突然女ども両人を切らば、二人の奴らが逃げるであろうと斯う思いまして、心
中手順を定め、塀より下り立ち、先ず庭に涼んで居りました村と婆を後へ引倒し、逃げら....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
費してしまった。 今日の夕刊読売に、山際(日大運転手。百九十万円強奪犯人)の獄
中手記というのが載っていた。それを読んで、ふと感想があったので、それを書くことに....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
一人の武士、黒の紋付、着流し姿、黒頭巾で顔を包んでいる。お誂え通りの辻切仕立、懐
中手をして反身になり、人なんかァ殺しゃァしませんよ……といったように悠然と下駄の....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
した。 「どこへ行くな、え、和泉屋」 黒塗りの足駄で薄雪を踏み、手は両方とも懐
中手、大跨にノシノシ近寄って来たが、 「穴ッぱいりか、え、和泉屋、羨ましいな、奢....
「“能筆ジム”」より 著者:坂口安吾
警官に彼を引き渡してしまった。ニンゲルは一向にひるむ色もなく、交番に連行される途
中手にしていた重いハンド・バッグを警官の両足の間に押し込んで、警官をつまずかせて....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
のような荒々しい、不愛想な、気違染みた
友達は無くても惜しくはありません。
昼間
中手一ぱいの用がある。
何をして好いか廃して好いか、
いつも顔を見ていても知れな....