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中洲
「中洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
、二重にしめきった部屋の中は、火鉢のほてりで、のぼせるくらいあたたかい。人の悪い
中洲《なかず》の大将などは、鉄無地《てつむじ》の羽織に、茶のきんとうしの御召揃《....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
は覚えていない)という人はちょうど元日のしらしら明けの空を白い鳳凰がたった一羽、
中洲の方へ飛んで行くのを見たことがあると言っていたよ。もっともでたらめを言う人だ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
く珍しかったかも知れません。 東京へ帰ってから聞きますと、伊井蓉峰の新派一座が
中洲の真砂座で日露戦争の狂言を上演、曾我兄弟が苦力に姿をやつして満洲の戦地へ乗り....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
た玉江が言う。 成程、島を越した向う岸の萩の根に、一人乗るほどの小船が見える。
中洲の島で、納涼ながら酒宴をする時、母屋から料理を運ぶ通船である。 玉野さえ興....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
花がちらりと上へかくれた。 十四 しかり、文金のお嬢さんは、当時
中洲辺に住居した、月村京子、雅名を一雪といって、実は小石川台町なる、上杉先生の門....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
するのに、樹の根、巌角を絶壁に刻んだ径があって、底へ下りると、激流の巌から巌へ、
中洲の大巌で一度中絶えがして、板ばかりの橋が飛々に、一煽り飜って落つる白波のすぐ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
さっきは雨脚が繁くって、まるで、薄墨で刷いたよう、堤防だの、石垣だの、蛇籠だの、
中洲に草の生えた処だのが、点々、あちらこちらに黒ずんでいて、それで湿っぽくって、....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
れるに従って、各所の小劇場でもそれを上演するものが少なくなかった。三十年九月には
中洲の真砂座で「乳房榎」を上演し、翌三十一年二月には同座で「真景累ヶ淵」を上演し....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ところではない。例へば、大川にしても、僕が子供の時分には、まだ百本杭もあつたし、
中洲界隈は一面の蘆原だつたが、もう今では如何にも都会の川らしい、ごみ/\したもの....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
了ったので、日避けが無くなった。どこか日蔭へ船を廻して貰いたいな」 「それでは、
中洲の蘆の間が好う御座います。洲の中には船路が掘込んで御座いますから、ズッと中ま....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
あれはほかでちょいと借りたんだから」 五 お光の俥は霊岸島からさらに
中洲へ廻って、
中洲は例のお仙親子の住居を訪れるので、一昨日媼さんがお光を訪ねた時....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
甕江、大槻磐渓、鷲津毅堂、岡松甕谷、阪谷朗廬、根本通明、竹添井々、島田篁邨、三島
中洲などもおったが、その他幾多相当の儒者が生存しておったから直接間接種々思想問題....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
じだ。」と莞爾する。 「だっておい四|度素帰をしたぜ、串戯じゃあない。ほんとうに
中洲からお運び遊ばすんじゃあ、間に橋|一個、お大抵ではございませんよ。」 「おや....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
った。――ある金持の若夫婦が道楽に十数羽飼っているが少し飽きたので、地所続きの『
中洲の森』という淋しい森の中に鳩舎を移したところが、最近頻りに盗まれる、もう五羽....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
日よりも下流にかかっていた。僕は時々この橋を渡り、浪の荒い「百本杭」や蘆の茂った
中洲を眺めたりした。
中洲に茂った蘆は勿論、「百本杭」も今は残っていない。「百本杭....