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中産
「中産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ったことを後悔していた。それはもちろん本ばかりではなかった。僕はこの心もちの中に
中産下層階級を感じている。今日でも
中産下層階級の子弟は何か買いものをするたびにや....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
金持の家の娘という位置に反撥して、縁談が纏りかかった間際になって拒絶した。そして
中産階級の娘で女性解放運動に携わっている女と、自分の主義や理論を証明するような意....
「骨董」より 著者:幸田露伴
いとして、年寄でもなく、二才でもなく、金持でもなく、文無しでもない、いわゆる中年
中産階級の者でも骨董を好かぬとは限らない。こういう連中は全く盲人というでもなく、....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
家の電車代に毎月十円乃至十五円を支払う者は珍らしく無い。之だけの電車税を払うのは
中産者に取っては相当な苦痛であるが、此苦痛を忍びつゝ交通の便利の恩恵を謝さねばな....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
具屋。水を流して戸を締めている小さい市場。硝子窓から仕事娘を覗かしている仕立屋。
中産階級の取り済ました塀。こんなものが無意味に新吉の歩行の左右を過ぎて行った。新....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
?――僕は何度も読み返した「マダム・ボヴァリイ」を手にとった時さえ、畢竟僕自身も
中産階級のムッシウ・ボヴァリイに外ならないのを感じた。…… 日の暮に近い丸善の....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
有りうべからざることであったが今ではフシギなことではない。つまり、昔の上流階級や
中産階級の教養が、おのずから下達する情勢となり、アンチャンの生活に芸術への理解と....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
檀一雄が石神井というところにちょっとした小粋な家を買った。いかにも当たり前の
中産階級の住宅であるが、さてよく調べてみるといろいろ風変わりなところがある。 ....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
郡税を課すべしとの条件の下に、郡立図書館建設のために五万ないし十万円を寄附するは
中産者のために、自ら不朽の紀念碑を設くる所以となると同時に、少なからざる公益をな....
「春」より 著者:岡本かの子
らない病人として或る精神病院へ終身患者として入れられていた京子を――京子は士族で
中産階級の肉親とも死別し、財産もなくして居た――加奈子は自分の家へ引き取って来た....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
どもでも老人のようには見えませんか、青いうちに皺の入った瘠地の杏のように。別けて
中産階級の児どもは。犬でも鶏でも、どうも私達の国のものは年寄り染みてるらしいので....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
がゆくところとみえる。一方にはこんなところがあって、とても貧富の差のはなはだしい
中産階級というものがないところとおもわれる。 映画館にもとても立派で大きなもの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
する花形であった。 今日の女の運動は社交の一つであって、貴婦人階級は勿論だが、
中産以下、プロ階級の女の集まりでもとかくに着物やおつくりの競争場になりがちである....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
十月の夕方、ほのぐらい自分のうちの庭を歩きまわる彼は、どうみても、つつしみぶかい
中産階級の人としかみえなかった。大陸へ渡る時に着るいつもの旅行用の服を着て、荷造....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ない。西洋人の軍事学の常識に比し、日本知識人のそれはあまりに劣っている。ドイツの
中産以上の家庭には通常、ヒンデンブルグやルーデンドルフの回想録は所有されており、....