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「中産階級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中産階級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
金持の家の娘という位置に反撥して、縁談が纏りかかった間際になって拒絶した。そして中産階級の娘で女性解放運動に携わっている女と、自分の主義や理論を証明するような意....
骨董」より 著者:幸田露伴
いとして、年寄でもなく、二才でもなく、金持でもなく、文無しでもない、いわゆる中年中産階級の者でも骨董を好かぬとは限らない。こういう連中は全く盲人というでもなく、....
縮図」より 著者:徳田秋声
はなかった。 二人が席を立つと、後連がもうやって来て、傍へ寄って来たが、それは中産階級らしい一組の母と娘で、健康そのもののような逞しい肉体をもった十六七の娘は....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
秀才教育か何かを主義にした方が、教育の理想から云って合理的ではないだろうか。所謂中産階級層以上の子供を一様に教育する代りに、その内での相当の秀才だけを選抜して教....
読書法」より 著者:戸坂潤
レ「ドイツ・ファシズムの農業政策」(之は一九三四年のもの)からなり、「ナチスの対中産階級政策」を付録としている。 ファシズムに関する重要な代表的著作の邦訳は之....
社会時評」より 著者:戸坂潤
ることを教えるのは、人間をヒネコビたケチなものにして了う。(幼年学校の生徒が大体中産階級以上の出で、師範学校の生徒が大体無産階級の出だということは今の場合問題に....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
具屋。水を流して戸を締めている小さい市場。硝子窓から仕事娘を覗かしている仕立屋。中産階級の取り済ました塀。こんなものが無意味に新吉の歩行の左右を過ぎて行った。新....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
人の名まえ、身分、年齢、死亡の年などといっしょに碑銘があって、下の方には、一般に中産階級の人の墓に使われる古風な、四行詩のようなものまで刻んであった。驚いたこと....
歯車」より 著者:芥川竜之介
?――僕は何度も読み返した「マダム・ボヴァリイ」を手にとった時さえ、畢竟僕自身も中産階級のムッシウ・ボヴァリイに外ならないのを感じた。…… 日の暮に近い丸善の....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
有りうべからざることであったが今ではフシギなことではない。つまり、昔の上流階級や中産階級の教養が、おのずから下達する情勢となり、アンチャンの生活に芸術への理解と....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
檀一雄が石神井というところにちょっとした小粋な家を買った。いかにも当たり前の中産階級の住宅であるが、さてよく調べてみるといろいろ風変わりなところがある。 ....
」より 著者:岡本かの子
らない病人として或る精神病院へ終身患者として入れられていた京子を――京子は士族で中産階級の肉親とも死別し、財産もなくして居た――加奈子は自分の家へ引き取って来た....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
どもでも老人のようには見えませんか、青いうちに皺の入った瘠地の杏のように。別けて中産階級の児どもは。犬でも鶏でも、どうも私達の国のものは年寄り染みてるらしいので....
余齢初旅」より 著者:上村松園
がゆくところとみえる。一方にはこんなところがあって、とても貧富の差のはなはだしい中産階級というものがないところとおもわれる。 映画館にもとても立派で大きなもの....
オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
十月の夕方、ほのぐらい自分のうちの庭を歩きまわる彼は、どうみても、つつしみぶかい中産階級の人としかみえなかった。大陸へ渡る時に着るいつもの旅行用の服を着て、荷造....