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中陰
「中陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「阿部一族」より 著者:森鴎外
るには十分であった。それを疑って別に原因を尋ねようとする余地はなかったのである。
中陰の四十九日が五月五日に済んだ。これまでは宗玄をはじめとして、既西堂《きせいど....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
、耳の楽しみです。仏教の方では人が亡くなった時に香を手向けますが、これは「中有(
中陰)の衆生は、香をもって食とする」という所からきているのです。したがって食物は....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
庭が一杯水になるわ。それから春から夏へかけては李の樹が、毛虫で一杯。 それに宅
中陰気でね、明けておくと往来から奥の室まで見透しだし、ここいら場末だもんだから、....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
死んだ為と言うよりも、寧ろ唯あの滝田君と言う、大きい情熱家の死んだ為だった。僕は
中陰を過ごした今でも滝田君のことを思い出す度にまだこの落莫を感じている。滝田君ほ....
「雪の宿り」より 著者:神西清
すがった者がありまして、泣く泣くおん亡骸を取収め、陣屋の傍に卓を立て、形ばかりの
中陰の儀式をしつらえたのでございます。ところが或る日のこと、ふとその禅僧が心づき....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、瞼はいつも半眼といった具合に重そうに垂れ下がり、めったに開かれることがない。年
中陰気な黒ずくめのいでたちをし、俯向き加減にウソウソと影のように歩き廻るようすと....