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「中頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
れば、東洋でも同じことであります。お隣りの支那では漢民族の最も盛んであった唐朝の中頃から、国民皆兵の制度が乱れて傭兵に堕落する。その時から漢民族の国家生活として....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
室の降口の床の端が来る位置に機関車が止ると、喬介は、給水タンクの線路側の梯子を真中頃まで登って行って、其処にタンクの横ッ腹から突出している径一|糎長さ〇・六|米....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
う、進むにつれ、歩むにつれ、益々浅く薄く、驚く私を尻目にかけて、とうとう空地の真中頃まで来ると、まるでその上を滑っていたものが、そのままスウーッと夜空の上へ舞上....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
って好奇心を持った。だが、それらの表面的なものに馴れて、珍らしさを感じなくなった中頃から、私は赫子を、平凡で常識的な世帯持ちの好い街のおかみさんのようなたちの女....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ります。 いや、余事を申上げまして恐入りますが、唯今私が不束に演じまするお話の中頃に、山中|孤家の怪しい婦人が、ちちんぷいぷい御代の御宝と唱えて蝙蝠の印を結ぶ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
最高処にあって、ここにも見らるる城址の森である。名にし負う神通二百八間の橋を、真中頃から吹断って、隣国の方へ山道をかけて深々と包んだ朝靄は、高く揚って旭を遮り、....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
え。」 ……と寝台の横手、窓際に卓子があるのに、その洋燈を載せながら話したが、中頃に腰を掛けた、その椅子は、患者が医師と対向いになる一脚で、 「何ぼ、男でもヒ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
あるいは阿貴かもしれない。もし彼に月亭という号があってあるいは生れた月日が八月の中頃であったなら、それこそ阿桂に違いない。しかし彼には号がない。――号があったか....
余齢初旅」より 著者:上村松園
だかりもしない、実に妙な悲惨なところである。 そうして蘇州へ行った時は、十一月中頃の寒い晩であった。そうすると上海中で昨夜の寒気で百人ほどの死人があったという....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
をビリビリ逸りたつように顫わせている、フォッカアユニバアサル機の方に歩いて行く途中頃で、まもなく後から追いついて来たらしい三枝に、名を呼ばれた。池内は振り返って....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
なく一面に銀泥を刷いたように白い光で包まれた得もいわれない絶景であった。丁度秋の中頃の寒くも暑くもない快い晩で、余り景色が好いので二人は我知らず暫らく佇立って四....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
けだった。何となく自分の不運ということだけが感じられて淡い涙が眼瞼を潤おした。夜中頃、困憊してうとうとしかけた慧鶴の耳に火口から東海面へ二度ほど何やら弾ねる音が....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
線に隙が出来、まかり違えば敵に背後を突かれるという危険がありました。そこで戦争の中頃からは一面に塹壕を掘って辛抱くらべを始めました。そしてじりじりと最後の勝利を....
心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
が案内して上げよう、但し慾を出すことは厳禁だよ、が、それも今年はもう駄目だ、秋も中頃となっては寒くて行かれないから、来年お伴をしよう」 二百何十人もの命を奪っ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ら三年への年末年始は、これを携えて伊豆の日蓮聖人の聖蹟に至り、構想を整頓して正月中頃から起草を始めようとしたとき、流感にかかり中止。その後、再び着手しようとする....