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中風
「中風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ると向こうの屋根の物干し台に浴衣《ゆかた》の類を持って干しに上がって来たらしい女
中風の女が、じっと不思議そうにこっちを見つめているのに気がついた。葉子とは何の関....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
らね」 小唄に残っている間《あい》の土山《つちやま》へひょっこり出る。屋根附の
中風薬の金看板なぞ見える小さな町だが、今までの寒山枯木に対して、血の通う人間に逢....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
めに、四カ月の新聞紙法違犯を勤めて来た山川のごときは、やはり肺が悪くてほとんど年
中風を引き通している男だが、向うではとうとう風一つ引かずに出て来た。そして出ると....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
さあ出発します。そこの窓へ顔をあてておいでなさい。さっきあなたがいったとおりの海
中風景が見られますよ」 そういうと博士は、樽ロケットを進発《しんぱつ》させ、そ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
て駆けつけた。喜作は、顔をまっ赤にして、よたよた足踏みをしている。お浜は、喜作が
中風になって、これから前にたおれるところだと思った。 「どうしたんだね、お前さん....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
追出して、御自分で私を育てて、十三の時までお達者だったが、ああ、十四の春だった。
中風でお悩みなすってから、動くことも出来なくおなりで、家は広し、四方は明地で、穴....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、ゼネバまで帰ったとき、前に同僚であったヤングの死去の報を聞いたが、その夜自分も
中風で死んだ。一八二九年五月二十九日である。享年五十一。 詩人カレッヂが評して....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
日さえあるようになった。 その上彼一家には不幸が連続した。前述のように、親父の
中風、死に続いて、おふくろが気がおかしくなって前の谷川の淵に落ちて半死のまま引き....
「瘤」より 著者:犬田卯
手に出て頭でも打割られるよりは黙って喰われていた方が安全さ。なアに、そのうちまた
中風がぶり返して、今度こそはお陀仏と来べえから。」 ところが瘤自身は
中風の再発....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
送らなければならないようになった。が、いっこう、それが苦にならないらしい。先年、
中風の老爺を「あの世」へ送ってからは、全く彼は呑気に、のそりのそりと牛のようにや....
「画道と女性」より 著者:上村松園
て 私はたいてい身体は丈夫な方です。これは老母譲りだろうと思っているが、老母は
中風で昨今は寝込んでいる。けれど、私の母は非常に丈夫な上に意志の強い人です。父と....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
相合傘でいた私に寄越して「ちょっと骨が折れました、遠い引掛りなんですがね……聾で
中風症のお婆さんが一人留守をしているんだもの、驚きましたわ。」「驚いた。」と八さ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
というのがある。烏水氏らの案内をして、幾度となく白峰の奥へ往った人たちだ。晃平は
中風病で寝ている。宗平は山仕事が忙しい。宗平の弟に宗忠というのはこの夏山岳会の人....
「西航日録」より 著者:井上円了
あたかもわが春夏の交に似たり。ときに拙作をもってこれを叙す。 去国西航已二旬、洋
中風色日加新、今朝船入彼南港、緑葉紅花冬似春。 (国を出て西に航行すること二十日....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は粗にしてかつ低し。左右に山をめぐらすも、みな高からず、山上には灌木あるのみ。年
中風強く雨乏しきが故なり。この地北緯十七度、暑気八十三度に当たる。ここより首府メ....