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丸で
「丸で〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸での前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
知らなかったと云う様な話も、人間離れがしていて面白いと云えば、面白いと云えるが、
丸で常識のない愚かな事だと云えば、そうも云えるだろう。」
こう言う伝説を信ずる....
「或る女」より 著者:有島武郎
いるから、その手紙を重《おも》だった親類たちに示して相談した結果、もし葉子が絵島
丸で帰って来たら、回復のできない罪を犯したものとして、木村に手紙をやって破約を断....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
なことを云いますなア、貴下は……」動坂は大きい顔を総監の方に向けた。「なんだか、
丸で儂がその鍵泥棒を知っているようなことを云う……。なにも儂に御遠慮はいらぬ。捕....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
外側は御覧のとおり毛糸で編んであります。しかしこれは単なる袋ですよ。中身は鉄の砲
丸です、あの競技に使うのと同じですが、非常に重いです。こっちから御覧になると、血....
「恐竜島」より 著者:海野十三
死んだとばかり思っていたのに、なぜ現われたのか。 そうか、分った。首を大砲の弾
丸でけずられた恐竜は、うらみにもえあがり、この船をおそって来たのだ。 おい、ち....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
、云うて、戦争の真似をしとるんかと思うと、おかしうもなるし、あほらしうもなるし、
丸で子供のままごとや。えらそうにして聨隊の門を出て来る士官はんを見ると、『お前ら....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
紙片の上を見ながら「旗田鶴彌の死亡時間は午後十一時三十分前後で死因はピストルの弾
丸ではなくて、心臓麻痺だそうです。詳しいことは、明日報告するといわれました。おわ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
からかに笑って、消防士においたてられて立ちさった。その老人紳士は誰あろう、ウラル
丸でさかんにさわいでいた老人だった。自分の全財産をつんだウラル丸が沈没するという....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
す。うち一発は、すぐ取出せましたので改めてみましたが、たしかにこっちの機関銃の弾
丸でありました」 「じゃ、その死体を見ようじゃないか」 リット少将は、スミス中....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
Qは筆をむんずと掴んで愧かしそうに、恐る恐る言った。 「ではお前のやりいいように
丸でも一つ書くんだね」 阿Qは丸を書こうとしたが筆を持つ手が顫えた。そこでその....
「中支遊記」より 著者:上村松園
力したと輝かしい偉勲を伝えられている長崎丸、私が長崎から乗った往路は多分その長崎
丸であったろう。十月二十九日の晩のことで、一行は京都を出発する時から、華中鉄道副....
「西航日録」より 著者:井上円了
きぬ気楽旅 と詠みたるも、四、五日を経て後は乗客みな倦怠を催せり。よって、 安芸
丸でなくてもあきる太平洋ましてあき丸あきる筈なり とよみたり。十八日にはべーリン....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
かれの長を取りてわが短を補うようにせねばならぬ。今回豪州行の船名は、郵船会社日光
丸でありしが、その船長の話に、前回日本帰航の際、上等船客豪州人六十人乗り込み、そ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
えずにいる。一刹那の後に、獄丁が側へ退いたので、フレンチが罪人を見ると、その姿が
丸で変ってしまっている。革紐で縦横に縛られて、紐の食い込んだ所々は、小さい、深い....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
おりもおり、日露の役に出征していた次兄が戦傷がもとで病死、同年輩の知人が常陸
丸で戦死したことなどをきくと、私の若い血も躍り始めた。『そうだ! 満州へでも行っ....