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「丸三〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丸三の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と思って考えているその胸の中に、はしなくもちかりと閃めき上がったものは、退屈男が丸三年さ迷って、見覚えるともなく見覚えておいた曲輪《くるわ》五町街の、往来途上な....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
て入り、火を放ったと思うとさっと引上げた。引上げたと思うと更に梅ヶ坪城に向い二の丸三の丸まで打ち入って同じ様に火の手を挙げる。厳重に大高城を監視して居た、丸根、....
島原の乱」より 著者:菊池寛
て三の丸を攻撃した。家臣立花大蔵長槍を揮って城を攀じて、一番槍と叫びもあえず、弾丸三つまでも甲を貫いた。忠茂怒って自ら陣頭に立って戦うが、城中では予てよりの用意....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
の媾和条約違反から、夏の陣が起るのであるが、惣堀だけを潰す約束であったのに、二の丸三の丸の堀まで潰したので、大阪方が憤慨したと云う説、いや初めから二の丸三の丸を....
死までを語る」より 著者:直木三十五
いう人々は、十年前から、一流の名声と、収入とをもっていた人であるが、私はようよう丸三年来である。 家族は、それでも同じで、妻、妾、子二人、家二軒。だから、いつ....
新樹の言葉」より 著者:太宰治
に家の人たちから聞いたことがあるので、それは、忘れずに知っていた。 「え、谷村の丸三という店に奉公して居りましたが、のちに、独立して、甲府で呉服屋をはじめました....
花物語」より 著者:寺田寅彦
や甲虫類のいちばんたくさんに棲んでいる城山の中をあちこちと長い日を暮らした。二の丸三の丸の草原には珍しい蝶やばったがおびただしい。少し茂みに入ると樹木の幹にさま....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
を運ぶ時、三ッ葉あり蒲鉾あり、化粧麩、花がつおなど、いろいろの種物にまじわれば、丸三の安饂飩も存外に旨く味われて、食通も時に舌鼓を打つぞおかしい。 稲荷鮨は元....
月世界探険記」より 著者:海野十三
三角|定規をパタリと置いて、艇長の顔を見上げた。 「どうも可笑しいんですよ。もう丸三日になるので、十二万キロは来ていなきゃならないのに、たいへん遅れているんです....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
駅まで見送ってくれて、二度とやりたくないのだがと呟いていた。しかし、この山住みの丸三年は、あたしに真の青春を教えてくれた。肝心の預けられた息子は居たたまれなくて....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
でございますか。」 「当分は戻られますまい。」と、僧は答えた。「ここへ帰って来て丸三年になります。これから三年、五年、十年……。あるいは一生……。鎌倉はおろか、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
濶達な足音が近づいてきて、竹簀茣蓙《たけすござ》を敷いた次の間へ入って来たのが、丸三、佐原屋|清五郎《せいごろう》。 色が浅黒く、いい恰幅で、藍がかった極薄地....
日和下駄」より 著者:永井荷風
《ろうしょう》鬱々たる代官町《だいかんちょう》の通《とおり》をばやがて片側に二の丸三の丸の高い石垣と深い堀とを望みながら竹橋《たけばし》を渡って平川口《ひらかわ....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
れ本誌において御紹介し得るの機会があろう。 この夜終列車の急行で帰京。出羽滞在丸三日に過ぎなかったが、あまり同地方を知らぬ自分にとっては、珍らしいことの多かっ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
していた。 両国橋をくぐって来た川蒸汽はやっと浮き桟橋へ横着けになった。「隅田丸三十号」(?)――僕は或はこの小蒸汽に何度も前に乗っているのであろう。兎に角こ....