丸天井[語句情報] »
丸天井
「丸天井〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸天井の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
る遠い戸口を眺めた。彼は仰向いて兜《かぶと》の鉢金《はちがね》を伏せたような高い
丸天井を眺めた。仮漆《ヴァーニッシ》で塗り上げた角材を幾段にも組み上げて、高いも....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
びえている支柱の上に乗っていた。研究室は直径二間半、高さ一間半ばかりの円筒形で、
丸天井をいただき、側面に一定の間隔でおなじ大きさの窓が並んでいた。一年あまり風雨....
「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」より 著者:宮本百合子
も、こっちからも三々五々男女の労働者がやって来る。彼方には夜目に白く堂々と巨大な
丸天井をもった建物が浮び上っている。「労働宮」へ遊びや勉強にゆく労働者たちだ。 ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
かと母と話していたのである。母は淋しい顔してだまって眺めていた。 三越の八階の
丸天井の真下を、母が雲に乗った如く平気で歩いている。ちょうどサーカスの空中美人大....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
て行く。警護の者は囚人《めしうど》を神聖裁判所の古い建物内にある、陰気で狭苦しい
丸天井の牢屋へ引きたてて来ると、その中へ監禁してしまった。その日も暮れて、暗くて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
行ってしまう。鳥のように空中に浮かんでる気がする。そして音響の大河が、いくつもの
丸天井を満たし、壁にはね返されて、会堂の隅《すみ》から隅へ流れわたる時には、自分....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かった。眼が眩《くら》むような猛烈な一条の光がほとばしり、空が唸《うな》り、雲の
丸天井がとどろいた。たちまちのうちに二人は、暴風雨にとりまかれ、電光におびえ、雷....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
無数の小蜂《こばち》が日の光の中で踊りながら、間断なき深い大オルガンの響きを森の
丸天井の中いっぱいにたてていた。 クリストフは森の中の開けた場所に出た。山の一....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
奥には、神々《こうごう》しい線をしてるサビーノの山脈の丘陵が展開しており、大空の
丸天井の他方の縁には、都会の古い囲壁が、踊ってる像をのせた聖ヨハネ寺院の正面が、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ちにつっ立って、靄《もや》のこめた穹窿《きゅうりゅう》の下に、影のためにおぼろな
丸天井の下に、大会堂のように高く、バベルの塔のようにおごそかな祭壇がそびえている....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
建物であって、監獄の弱点となっていた。その壁ははなはだしく風雨にいたんで、寝室の
丸天井には木の覆《おお》いを着せなければならなかった。石がはずれて寝床にいる囚人....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
水道の中に溺死《できし》してしまったのである。
アルシュ・マリオンに達する長い
丸天井の隘路《あいろ》の下に、少しも破損していない屑屋《くずや》の負《お》い籠《....
「言語は生きている」より 著者:中井正一
るらしいのである。 どうも、アリストテレスの訳文として、初めてこの言葉は、何か
丸天井の建築の尖塔の先のような、有用と云うよりも威厳を導き出すところの「基本体的....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
い PASSE《あとめ》 の23に落ち着いた。 お、これはいかん、とコン吉が、
丸天井もつん抜けるような胴間《どうま》声を張り上げ、 「|小僧や、ここへ来い《ギ....
「図書館協会六十周年に寄せて」より 著者:中井正一
に聳えたち、見下し、威厳を保っていたのである。 欧州でも、この出発をもち、かの
丸天井のロマネスクの教会風な威厳のコケ威しは、その残存物である。アメリカの国会図....