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丸太
「丸太〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸太の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
場があった。左の方には入口の掘立柱《ほったてばしら》から奥の掘立柱にかけて一本の
丸太を土の上にわたして土間に麦藁を敷きならしたその上に、所々|蓆《むしろ》が拡《....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
《ねどこ》を拵《こしら》えてくれた、天井《てんじょう》は低いが、梁《うつばり》は
丸太で二抱《ふたかかえ》もあろう、屋の棟《むね》から斜《ななめ》に渡《わた》って....
「春昼」より 著者:泉鏡花
浮きもせず、沈みもやらず、末始終は砕けて鯉鮒にもなりそうに、何時頃のか五、六本、
丸太が浸っているのを見ると、ああ、切組めば船になる。繋合わせば筏になる。しかるに....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、」 「やあ、」 しッ、しッ、しッ。 曳声を揚げて……こっちは陽気だ。手頃な
丸太棒を差荷いに、漁夫の、半裸体の、がッしりした壮佼が二人、真中に一尾の大魚を釣....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
かは分からんですが、ええん! 村二三 ひやひや。(と云う。) 村四五 撞木野郎、
丸太棒。(と怒鳴る。) 初雄 えへん、君はこの村において、肥料の糟にもならない、....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、尻を立てた。 (ぼくは、はや、この方が楽で、もう遣っとるが。) と、水浸しの
丸太のような、脚気の足を、襖の破れ桟に、ぶくぶくと掛けている。 (幹もやれよ。)....
「古狢」より 著者:泉鏡花
あれでも人が居るかと思う。透かして見れば帳場があって、その奥から、大土間の内側を
丸太で劃った――(朝市がそこで立つ)――その劃の外側を廻って、右の権ちゃん……め....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
悪いと、山門|内まで運ぶについて、今日さ、この運び手間だよ。肩がわりの念入りで、
丸太棒で担ぎ出しますに。――
丸太棒めら、
丸太棒を押立てて、ごろうじませい、あすこ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
際を曳いて通ることがあった。雨が続いて泥濘になったのを見澄して、滝太が手で掬い、
丸太で掘って、地面を窪めておき、木戸に立って車の来るのを待っていると、窪は雨溜で....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
った、埋れ井戸には桔梗が咲き、薄に女郎花が交ったは、薄彩色の褥のようで、上座に猿
丸太夫、眷属ずらりと居流れ、連歌でもしそうな模様じゃ。……(焼撃をしたのも九十九....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
すので、漸との思いでついて参りますと、いつしか一|軒の家屋の前へ出ました。それは
丸太を切り組んで出来た、やっと雨露を凌ぐだけの、極めてざっとした破屋で、広さは畳....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
もうかれこれ十時だった。ずっと長い途を歩いて来た僕は僕の部屋へ帰る力を失い、太い
丸太の火を燃やした炉の前の椅子に腰をおろした。それから僕の計画していた長篇のこと....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
、丁度去年の今頃である。君はその時神経衰弱とか号して甚意気が昂らなかった。が、殆
丸太のような桜のステッキをついていた所を見ると、いくら神経衰弱でも、犬位は撲殺す....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とまちがえるかもしれない。 彼の学校は低い建物で、大きな教室が一つきりの粗末な
丸太づくりだった。窓はガラス張りのもあったが、帳面の紙をはぎあわせてあるのもあっ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
屋漏る燈のように、細く灯して、薄く白い煙を靡かした、おでんの屋台に、車夫が二人、
丸太を突込んだように、真黒に入っていたので。 「羨しいようですね……串戯じゃない....