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「丸裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丸裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
くなった。それもその筈《はず》である。吾輩は帽子もズボンもズブ濡れで、腰から上は丸裸、山頂の雲霧を交えた冷風がヒューヒュー吹き付けるのだから堪ったものではない。....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
富士の裾野の水車は、水辺に夕暮の淡い色を滲じみ出した紫陽花の一と群れに交わって、丸裸のまま、ギイギイ声を立て、田から田へ忙しく水を配ばり、米を研ぎ、材木を挽いた....
二少女」より 著者:国木田独歩
で母の後を逐い、三人の児は半歳のうちに両親を失って忽ち孤児となった。そうして殆ど丸裸体の様で此世に残された。 そこで一人の祖母は懇意な家で引うけることになり、....
薬草取」より 著者:泉鏡花
捕方が多人数、隠家を取巻いた時、表門の真只中へ、その親仁だと言います、六尺一つの丸裸体、脚絆を堅く、草鞋を引〆め、背中へ十文字に引背負った、四季の花染の熨斗目の....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
々一通りで無い者共で無くては出来ぬことをする人物であるから、縦い富有の者で無い、丸裸の者にしてからが、其の勇気が逞しく、其経営に筋が通り、番頭、手代、船頭其他の....
小唄のレコード」より 著者:九鬼周造
れることがあるが、レコードは旋律だけの純粋な領域をつくってくれるのでその中へ魂が丸裸で飛び込むことができる。私は端唄や小唄を聴いていると、自分に属して価値あるよ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
を浮べて、九つばかりと、八つばかりの、真黒な男の児。一人はヤッシと艪柄を取って、丸裸の小腰を据え、圧すほどに突伏すよう、引くほどに仰反るよう、ただそこばかり海が....
不周山」より 著者:井上紅梅
に気づいて、急に頭を後に向け、他のものを捜したが、しばらくして鉄片を纏いていない丸裸で、傷痕からまだ血の流れている、それでも腰にだけは破れた布切を巻いているもの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
鶴見は震災後静岡へ行って、そこで居ついていたが、前にもいった通り戦火に脅かされて丸裸になり、ちょうど渡鳥が本能でするように、またもとの古巣に舞い戻って来たのであ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
したら宜しいのか」と怨めしそうに美少年は云った。 「おぬしの身の皮を残らず剥ぐ。丸裸にして調べるのじゃ」 「それは又何故に」 「ええ、未だ空惚けおるか。おぬしは....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
度|密と潮をはねたが、またちょこちょこと取って返して、頭を刎退け、衣類を脱いで、丸裸になって一文字に飛込んだ。陽気はそれでも可かったが、泳ぎは知らぬ児と見える。....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すが、其衣も帯を解いて脱いでしまって向うの岸へ投りつけ下着もその通りに投りつけて丸裸体になりましたが、どうもその寒いことといったらないです。ところが何が役に立つ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たのだった。キャデイズの市民たちから莫大な賠償金が徴発されたばかりでなく、市街は丸裸になったうえに破壊され、そしてイギリス軍は帆を上げ去った。艦隊が海岸線に沿っ....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
一月三十一日のころ年越の晩に行われるので、村民真冬の雪の深い中を、二組に分れて、丸裸でおしあって、恙虫を送るのだという。藁で大きな恙虫の形を作り、それを切り取っ....
すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
ればいいというつもりで入って行くと、タキシードを着用に及んだボーイが、銀盆の上で丸裸の鴨をジュージューやってスープを取っている。 早速、ボーイが私たちのところ....