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丹誠
「丹誠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丹誠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
やたち》は左様な悪人に産み付けはせまい、どうか良い心掛けにしたい、善人にしたいと
丹誠《たんせい》して育てたろうが、汝《わりゃ》ア何か親はないかえ、汝《われ》は天....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
てこんなに早く出掛けてきたのさ、それではお前の分にも一丁買ってきてやるから、折角
丹誠してくれやて、云ったら何んでも眼をうるましたようだった、其時のあの女の顔をお....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
くなる」だね。だいぶしっかりして来たね。も少し字配りをよくしたらなおいいだろう。
丹誠してお稽古したおかげだよ。(松若の頭をなでる) 松若 吉助さんとこの吉也さん....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
人ならばと斯う思ったから、実はお前に心のたけを山々書いて贈ったのである、然も私は
丹誠して千代尽しの文で書いて贈ったんだよ」 千「何でございますか私は存じませんも....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
、不孝ものであると小言は申しましたが、彼れは七歳の時母に別れ今年十八まで男の手に
丹誠して育てましたにより、あの通りの初心な奴で何もかも知らん奴だから、そこが親馬....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
へ伯父が参り、 多「あゝ情ない事をした、そんな悪人とは知らずに、恩返しの為だから
丹誠をして恩を返さんければならぬと云って、直に行こうと云うのを無理に留めたが、そ....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
せば」 ふみ「はい有難うございますが、病院へ入りまして、入院中も種々お医者様も御
丹誠なすって下すったが、何うも治りません眼と見えまして、もう何も彼も売尽しまして....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ア詰らん物でございますけれども、私が夜業に撚揚げて置いたので、使うには丈夫一式に
丹誠した糸でございます、染めた方は沢山無えで、白と二色撚って来ました、誠に少しば....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
あの童子は詐欺師でございます。恐れながら、陛下のお病は侍医の方々や、わたくし共の
丹誠で、もうそろそろ御平癒になる時になっておりました。そこへ折よく童子めが来合わ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
れがアナトオル・フランスであったなら、こんな幼時の些少な砕けた感動の種子からも、
丹誠して見事な花を咲かせたであろう。鶴見は気まぐれにも、ここでそんな考を運らして....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
場でお母の行方が知れねえから娘にしたと仰しゃるが、私の方じゃア七歳の時からお母が
丹誠して、お絹布ぐるみ、其の上にいろ/\な芸事を仕込んで、これから楽をしようと思....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
けならべた、押絵の有名な額がある。――いま天守を叙した、その城の奥々の婦人たちが
丹誠を凝した細工である。 万亭応賀の作、豊国|画。錦重堂板の草双紙、――その頃....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
と諭しの謎々とは、何ほど愚鈍な我にも知れたが、ああ譲りたくないものじゃ、せっかく
丹誠に
丹誠凝らして、定めし冷えて寒かろうにお寝みなされと親切でしてくるる女房の世....
「おじいさんが捨てたら」より 著者:小川未明
たずねました。 「枯れたのも同然のものだが、まだすこしばかり命があるらしい。私の
丹誠で助けたいと思っている。」と、おじいさんは答えました。 こうしたやさしいお....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
梨とを私がこう担いで、乳を貰いながら商売を致して、何うやら斯うやら十二の年齢まで
丹誠して、お店へ奉公に遣りましても、種々御
丹誠下さいましたから、段々と私などより....