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主取り
「主取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
主取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仇討三態」より 著者:菊池寛
ゃなあ。が、御身様の仕儀に、一点のきたないところもない。それをいい立てて、立派な
主取りでもできるくらいじゃ」 「料理人などをさせておくのは、まったくもって惜しい....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
家屋敷へ連込むことは、庄兵衛もなんだか後めたいようにも思ったので、かたがた二度の
主取りは見合せることにしたが、いつまでもむなしく遊んではいられないので、彼は近所....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
うやって店借を致して、売卜者で生涯|朽果るも心外なことで、仮令何様な下役小禄でも
主取りをして家名を立てたい心懸もござりますが、これという知己もなく、手蔓等もない....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いように見えないではありません。 すこしも早く本望を遂げた上は、兵馬に然るべき
主取りをさせて、自分もその落着きを楽しみたい心が歴々《ありあり》と見えることもあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
近習役の阿部一学であります。ほかの家来は、それ以来、ちりぢりになって、多くは別に
主取りをしているのに、一学だけは、決着のお沙汰のあるまでこの屋敷に踏みとどまって....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ゅど》りをさせるという先の望みもございましょうが、女ではねえ……それに――」
「
主取りと申すと、貴様武家出か」
「はい。お恥ずかしゅうございます」
「ほほう。そ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、さア諸家から召抱えにまいること何人という数知れず、なれど文治は、 文「手前は
主取りの望みはござらぬ、折を見て出家いたす心底でござる」 と一々断りましたが、....
「四十八人目」より 著者:森田草平
ことが、骨折ってくれている兄にでも知れたら悪い。たとい一合二合の切米でなりとも、
主取りさえできたら、きっと願いを出して、表向きそなたを引取るようにするから、それ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
み寄ったが、囁くように云いつづけた。 「悪いことは申さぬ士官おしなされ。もっとも
主取りの御身分なら、無理にもお進め出来ないが。いやいや先刻からの御様子でみれば、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
」 二人はそれっきり黙ってしまった。 と、浪人が誰にともつかず、 「どこぞへ
主取りでもしようかしらん」 しかし女房は返辞をしない。 浪人は武鑑をポンと投....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
がてその主人は乱心して早死にをする、家はつぶされるという始末に、茂左衛門は二度の
主取りを嫌って津山の在に引っ込んでしまい、その後は代々農業をつづけて今日に至った....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
家滅亡はいうまでもない。その方どもはあとの始末を済ませた上で、思い思いに然るべき
主取りせい」 主人は形見として幾らかの金をやったが、権次は辞退した。自分はもう....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
家中の、仔細あっての浪人と、彼は心の裡《うち》に決めてしまっていたのである。 「
主取りはもうこりこりじゃて、固苦しい勤仕《きんじ》は真平じゃ。天涯独歩《てんがい....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
架を担ぎ登り給いしキリストは、私共に勇気をつけて下さいましょう。 主与え給い、
主取り給う。主の御名は讃美せられよかし。浦上が選ばれて燔祭に供えられたる事を感謝....