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「主賓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

主賓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三人の双生児」より 著者:海野十三
顔をふりかえりながら帰っていった。 それから三日間というものは、妾の邸のなかは主賓の静枝と、飛び入りの安宅真一とを加えてたいへん朗かな生活を送った。真一は別人....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
をすすめられ、順次に黙々としてこれを飲みほして、最後に主人が飲む。定式に従って、主賓がそこでお茶器拝見を願う。利休は例の掛け物とともにいろいろな品を客の前におく....
道標」より 著者:宮本百合子
勇が、青年らしい気くばりでわきに立っている伸子をかえりみた。 「今夜は、佐々君が主賓なんだから」 「いいわ、何かたべられるところなら。――わたしおなかがすいちゃ....
惜別」より 著者:太宰治
宿でひらいて、出席者の酒飲み大工とその十歳の娘、津田、矢島の両幹事、私、それから主賓の周さん、みんな立って、今思えば噴き出したくなるくらいの、声楽の大天才揃いの....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
のアクチュアリティーは決して文献学の対象ではないのだ。だから、文献学を何か特別な主賓として待遇しなければならないと考える哲学は、必ず何かこの現実=アクチュアリテ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
するの会の絶え間がない。 今夕しも、尚歯会《しょうしかい》が発起で、道庵先生を主賓として、長栄寺に詩歌連俳の会を催すことを企て、その旨、先生に伺いを立てると、....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かかわらず、なかなか大勢集まって、私の娘婿の山路一遊(師範学校長)を、私の代りに主賓として饗応され、なお席上の揮毫の合作や署名の大幅を贈ってくれられたのは、私の....
或る夜の武田麟太郎」より 著者:豊島与志雄
傍目もふらずに、別れ去るのだった。 大体、酒宴の席から去るのに二つの型がある。主賓席に挨拶して、所謂フランス風に立ち去るのと、殆んど挨拶なしに、所謂イギリス風....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
長谷川にしてみれば、それが、自分の地位の急な転落とも感ぜられたのである。謂わば、主賓から一挙に居候に成り下ったのである。あてがいぶちの食事をぼそぼそ食べ、そこに....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
船に積みこみ明朝出発するといふ前夜のことだが、その晩長崎の二官の店では四郎父子を主賓に小さな饗宴がひらかれてゐた。そのとき飄然訪れたのが金鍔次兵衛で、彼は江戸か....
秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
はじめている事をよく知っているので。彼は客間へはいってちょっと見渡したが、今夜の主賓が未だ来ていない事がわかった。外の主だった人は皆揃っていた。そこには英国大使....
文化祭」より 著者:坂口安吾
帰京されたのかも知れませんね。なんしろテンヤワンヤでして。モシモシ皆さん。本日の主賓、われらの芸術家を先にバスにお乗せ下さい」 五助は人々を拝み倒して六人を先....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
かごん》であるまいと思う。いかにその演説が教育に関係するを要しないとても、青年が主賓《しゅひん》になっている以上は、招《まね》かれる弁士はただ能弁《のうべん》だ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
中佐は最初、その席を荒田老にゆずろうとした。しかし荒田老は、 「今日は、あんたが主賓じゃ。」 と、叱るように言って、すぐそのうしろの席にどっしりと腰をおろし、....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
は劇談会のことである。これは主として長田秋濤君の斡旋で成立したらしく、西園寺侯を主賓として、福地桜痴、末松青萍、尾崎紅葉、高山樗牛の四氏、ほかに松居君と榎本虎彦....