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久方
「久方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
久方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
たのだ。住吉署に行ってから、先刻の彼が一役買った蠅男捕物の話も聞いたり、それから
久方ぶりで帰邸したという奇人館の主人鴨下ドクトルにも会ってみるつもりだった。とこ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ったといってよい」などと、勝てる自信を述べていた。 ◯昨八日十七時、大本営発表で
久方ぶりに軍艦マーチと陸軍マーチが響く。沖縄本島周辺にここ旬日あまり群って退かぬ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
チーフを見て、顔色をかえた。 「あ、これはぼくのおじさんのハンカチーフです。毛利
久方彦《もうりくまひこ》といって、理学博士なんです」 「ああ、あの毛利博士。私も....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
後に宮川はひとりで立っていた。彼の眼は、いきいきと輝いていた。まるでゲーテが、
久方ぶりで街で愛人ベアトリッチェに行きあったような恰好であった。 「ああ美枝子さ....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
日本人だぞと大ぴらに本国の国籍を表明していて一向さしつかえないのであった。私は、
久方振りのこうした安楽した気持におちついたので、願わくば、今二三月もこの土地で静....
「火星兵団」より 著者:海野十三
る。
先生は、火星人の間をすりぬけて、穴の入口から外へ飛びだした。
先生は、
久方ぶりに、新しい空気を吸って、元気をとりもどした。
だが、外は真暗であった。....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
どこかで会えるかもしれないと、正太ははかないのぞみをつないだ。正太は、その足で、
久方ぶりにわが家の門をくぐった。 病床の母は、おもいのほか元気だった。この分な....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
黙ってその命令を聞くより仕方がなかった。 新宇宙艇の二重になった丸い出入口は、
久方ぶりで内側へ開かれた。一行四名はマスクをして艇長を先頭に外へ出ていった。 ....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
のようなものにくるまれたまま氷上に置かれて、沈みゆく難破船をじっとみつめていた。
久方ぶりで懐しい日本人に会えた悦びも、この沈没さわぎで煙のように消えてしまった。....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
の下垂死体の前に、いつまでも続いていた。 13 杜はミチミを連れて、
久方ぶりで郷里に帰った。今はもう誰に憚るところもなく、一軒の家を借り同棲すること....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
ことだけで、いいんだ――彼は私にぶっつけるように云ったのです。二人が会ったのは、
久方ぶりでした。だから私は、その前日に彼へ速達を出しているのです。とても不安な気....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った人が選ばんと見落すね」 「今度は君の番よ」 と書店の主人が私に促した。 「
久方の月夜を清み梅の花心に咲きて吾が思える君」 私はいささかきまり悪かった。 ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
送られ、神戸の波止場から和泉丸に乗船しました。その時に故国に別るる歌があります。
久方の月のかつらのをりを得て
帰りやすらん天津日国に
郷里の親友信者....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
風 ゆふさればころもで涼し高円の尾上の宮のあきのはつかぜ ながむればころもで涼し
久方の天のかはらの秋の夕ぐれ 新古今 四 萩が花まそでにかけて高円の尾上の宮....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、空中征服の感を昂めた。 賀川市長は少し遠く歩くことが出来るようになったので、
久方ぶりに博労町五丁目の毛布問屋恵比寿屋吉兵衛さんの所に遊びに行った。吉兵衛さん....