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「乗り降り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乗り降りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
めるように真事の手を引いて広い往来をぶらぶら歩いた。終点に近いその通りは、電車へ乗り降りの必要上、無数の人の穿物《はきもの》で絶えず踏み堅められる結果として、四....
赤外線男」より 著者:海野十三
えられる。―― さてその日は四月六日で、月曜日だった。 ところは大東京で一番乗り降りの客の多いといわれる新宿駅の、品川方面ゆきの六番線プラットホームで、一つ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ときどき揺れて、呟き声や、笑い声を乗客に立てさせながら、停留場毎に几帳面に、客を乗り降りさせて行く。山の手から下町へ向う間に二つ三つ坂があって、坂を越すほど街の....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
場はあまり面白くない。殊におもしろいのは、ひと列車に二、三人か五、六人ぐらいしか乗り降りのないような、寂しい地方の小さい停車場である。そういう停車場はすぐに人家....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
乗ってゆく。江戸の方面から来る旅びとは栗橋から渡し船に乗り込んでここに着く。その乗り降りの旅人を座頭は一々に詮議しているのである。 「もし、このなかに野村彦右衛....
」より 著者:徳田秋声
一緒に見る、不思議な動物や活き人形などがお増の目にも物珍しく眺められたが、電車の乗り降りなどに、子供を抱いたり擁えたりする浅井の父親らしい様子を見ているのが、何....
廃墟から」より 著者:原民喜
《くうどう》や赤錆《あかさび》の鉄筋がところどころ入乱れている。横川駅はわずかに乗り降りのホームを残しているだけであった。そして、汽車は更に激しい壊滅区域に這入....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
れは一向に頭にはいらなかった。学校の行きかえりの電車は大へんな混雑であり、窓から乗り降りすることが何度もあった。荒々しい感情が街にみなぎっていた。しかしその中に....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
間には小さいテーブルを取り囲んで粗末な椅子が四、五脚ならべてあった。寒いあいだは乗り降りの客も至って少ないので、ほかのテーブルや椅子はみな隅の方へ押し片付けられ....
電車停留場」より 著者:豊島与志雄
中があいてるから、中へはいって下さらなければ困ります。其処に立っていられちゃあ、乗り降りの邪魔になるじゃありませんか。」 「どこが邪魔になるんだ?」と云って洋服....
常識」より 著者:豊島与志雄
しながら新聞を見てる私の姿も、いろいろな人の目についたろう。二人そろって自動車に乗り降りするところも、いろいろな人から見られたろう。だが構わない。私は信念を持っ....
生前身後の事」より 著者:中里介山
へ馬車(自動車ではなかったと思う)を乗りつけてそこから簡単に統監服のままで馬車へ乗り降りする処だけを見た、これも細かな表情などは少しも覚えていない、哈爾賓《ハル....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
に乗込むと、定員八人という車台のなかに僕をあわせて乗客はわずかに三人、ふだんから乗り降りの少ないさびしい駅である上に、土地の人は人力車にも馬車にも乗らないで、み....
水魔」より 著者:田中貢太郎
妻橋の方へ向いて車道の縁を歩いた。もうおしまいになりかけた電車には、ぼつぼつ人が乗り降りしていた。山西はふと小女を己の知っている花川戸の安宿へ伴れ込もうと思いだ....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
間もなく大曲まで延びたが、私は乗換えや何かの都合で、毎日外濠線の電車を神楽坂下で乗り降りしたものだった。その後学校附近に下宿するようになってからは、何度その下宿....