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「乗合馬車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乗合馬車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
からでしてね、あやうく高飛びをされる、きわどいところで取り押えたのです。奴はもう乗合馬車に乗り込んで、リガへ逃げようとしていました。旅行券もとっくに或る官吏の名....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た町は早く暮れかかって、桂川の水のうえには薄い靄が這っている。 修善寺がよいの乗合馬車は、いそがしそうに鈴を鳴らして川下の方から駆けて来た。 夜は机にむかっ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
六里ほどもはいったところに龍馬の池というのがあります。少し遠方ですが、途中までは乗合馬車がかよっていますから、歩くところはまず半分ぐらいでしょう。どうです、一度....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
車で三○分ばかりのマントンへ向かいました。マントンは美しい古風な港です。海岸から乗合馬車に乗って、地中海を眺めながら二○町余りを走るとそこがイタリアへの国境でし....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
あり、右何々道左何々道と記されていたり、牛が向うから歩いて来たり、馬子がいたり、乗合馬車の点景があったり、巡礼姿が花の下にいたり、そして、酒めし、と記された看板....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
、合唱がそれに続くのである。 六 駅逓馬車。――宿駅と宿駅との間を定期に往復する乗合馬車。鉄道が出来る前の主要な交通機関であった。 七 ブリストル。――ブリスト....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、ポケットにねじこんで階段をおりました。それから、こっそり家を出て、通りがかりの乗合馬車をよびとめてのり、いかにもたのしそうな、秘密ありそうな顔つきで、町のほう....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
余りも離れている。この頃は乗合自動車が通うようになったが、その時代にはがたくりの乗合馬車があるばかりだ。人力車もあるが、僕はさしたる荷物があるわけではなし、第一....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ない。被告と親交があると言っても、それは実際のところはごくちょっとした交際で、乗合馬車や宿屋や郵船などの中で被告に無理に押しつけた交際ではないか? いいや。そ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
には考えられない。 湯上りの泡盛は確に旨かった。 木曾旅行の途次、贄川の宿で乗合馬車が暫くのあいだ停っていた時のことである。折から鉄道工事の最中なので、大勢....
電報」より 著者:織田作之助
電報 織田作之助 私は気の早い男であるから、昭和二十年元旦の夢をはや先日見た。田舎道を乗合馬車が行くのを一台の自動車が追い駈けて行く、と前方の瀬戸内海に太陽が昇りはじ....
春の修善寺」より 著者:岡本綺堂
った。寒い風はまだ吹きやまないで、旅館の出迎えの男どもが振照す提灯の火のかげに、乗合馬車の馬のたてがみの顫えて乱れているのが見えた。わたしは風を恐れて自働車に乗....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
抱かれた町は早く暮れかかって、桂川の水のうえには薄い靄が這っている。修善寺通いの乗合馬車は、いそがしそうに鈴を鳴らして川下の方から駈けて来た。 夜は机にむかっ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に人の輻湊する場所を生ぜること、第二は地下鉄道の電気に変じたること、第三は市街の乗合馬車が多く自動車となりたること、第四は街上の敷石がたいてい敷木にかわりたるこ....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
、寐の足りないらしい人が人道を馳せ違っている。高架鉄道を汽車がはためいて過ぎる。乗合馬車が通る。もう開けた店には客が這入る。 フレンチは車に乗った。締め切って....