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乗場
「乗場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗場の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
《あわれ》んで「クラパム・コンモン」の傍人跡あまり繁《しげ》からざる大道の横手馬
乗場へと余を拉《らっ》し去る、しかして後「さあここで乗って見たまえ」という、いよ....
「新生」より 著者:島崎藤村
たいと思った。ビヨンクウルの家を辞して、ポプリエの並木の続いた岸づたいに河蒸汽の
乗場へ下りて行く道すがらも、彼は自分で自分に尋ねて見た。何故ビヨンクウルの人達は....
「わが町」より 著者:織田作之助
に景品をつける時もあって、自然俥夫連中は打撃をうけ、俥に赤い旗を立てて、巡航船の
乗場に頑張り、巡航船に乗ろうとする客を、喧嘩腰で引っ張ろうとしてかなわぬ時は巡航....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
来ると舟橋も見られる。 そのうちに乗客が集って来た。私達は雪の積った崖に添うて
乗場の方へ降りた。屋根の低い川船で、人々はいずれも膝を突合せて乗った。水に響く艪....
「秋日記」より 著者:原民喜
と妻が彼の肩を軽く叩《たた》いてくれた。それから、ふと思いがけぬところに、バスの
乗場があり、バスは滑《なめ》らかに山霧のなかを走った。――それはまだ昨日の出来事....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
はそこいらまで一緒に随いて来るのもあった。おげんは熊吉の案内で坂の下にある電車の
乗場から新橋手前まで乗った。そこには直次が姉を待合せていた。直次は熊吉に代って、....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
いたのです。だからもう云いませんと申しました。彼は、私をひっぱるようにして、私の
乗場のところ迄、ひきつれました。そして、改札口へ私がはいる時、又大きな声で云いま....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
いているのではなかろうか……。 茶店を出ると、蝉の声を聴きながら私はケーブルの
乗場へ歩いて行ったが、ちょこちょこと随いてくる父の老妻の皺くちゃの顔を見ながら、....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
ひいて出て、まるで新派劇の舞台が廻ったみたいだった。 当時、安堂寺橋に巡航船の
乗場があり、日本橋まで乗せて二銭五厘で客を呼んでいたが、お前はその
乗場に頑張って....
「食堂」より 著者:島崎藤村
を告げて行くお三輪の後を追って、お力は一緒に歩いて来た。芝公園の中を抜けて電車の
乗場のある赤羽橋の畔までも随いて来た。 お三輪も別れがたく思って、 「いろいろ....
「蒼白い月」より 著者:徳田秋声
岸の家へ帰りついたのは、もう夜であった。 私はその晩、彼らの家を辞した。二人は
乗場まで送ってきた。蒼白い月の下で、私は彼ら夫婦に別れた。白いこの海岸の町を、私....
「妖影」より 著者:田中貢太郎
いるので、そこへも往ってみたが、それにもいない。ついすると、神田の方へ往く電車の
乗場にいるかも判らないと思って、そこへも往ったが、彼の女らしい者は見えなかった。....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
とをほのめかしたが、彼女は赧くなった丈で返答はしなかった。 白浜温泉口のバスの
乗場まで来ると、ぼくらはその前の藤棚の下のベンチに腰を下ろしたが、そこは絶えず発....
「雨」より 著者:織田作之助
です。お前なか/\インテリじゃな。うまく信用されて、船を降りると、その足で連絡船
乗場にかけつけた。 汽車の中では大阪につくと直ぐ家に戻るつもりであったが、しか....