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乗越し
「乗越し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗越しの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
、蕗の葉が芽んだように、飛石が五六枚。 柳の枝折戸、四ツ目垣。 トその垣根へ
乗越して、今フト差覗いた女の鼻筋の通った横顔を斜違いに、月影に映す梅の楚のごとく....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
見る眺望は日本一だろう。駒縦走路は少しも危険なところがなく案外だった。南駒ヶ岳を
乗越していい道があるのだったが知らなかったため、摺鉢窪へ下って人のいない小屋より....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
がよければ抜擢してずんずん進級せしめたのです。私もそれで幸いにどしどし他の生徒を
乗越して抜擢されて、十三の年に小学校だけは卒業して仕舞った。 この小学校に通っ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
白かったから、いい気になって読んでいると、うっかりしている間に、飯田橋の乗換えを
乗越して新見附まで行ってしまった。車掌にそう云うのも業腹だから、下りて、万世橋行....
「山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
れに逆ったものならいつか大きな洪水が来て、きっと堤を切ったり、コンクリートの上を
乗越したりする」「どうかすると、そんな堤防をおきざりにして、まるで違った方にどう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それから、丑三《うしみつ》の頃、大胆至極にも、江戸城の一の御門の塀《へい》を
乗越して潜入した、一つの黒い影があります。 この時の七兵衛は、根岸の化物屋敷を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いましたね、火元は神田佐久間町のお琴のお師匠さんの家と聞きました。あれが神田川を
乗越して東神田からお玉ヶ池、東は両国矢の倉辺まで、西は今川橋から石町《こくちょう....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
定宿もない、やはり田舎ものの参宮さ。」 「おや!」 と大きく、 「それでもよく
乗越しておいでなさりましたよ。この辺までいらっしゃいます前には、あの、まあ、伊勢....
「環礁」より 著者:中島敦
《のど》が涸《かわ》いていたので、椰子水でも貰おうかと、豚の逃亡を防ぐための柵を
乗越して裏から家の庭にはいった。 恐ろしく動物の沢山いる家だ。犬が十頭近く、豚....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、アッと退いた。 が、たちまち一団になって詰掛ける。 私は思わず、お悦の肩を
乗越した。 ここに不思議だったのは、そのお悦の袖の下にあった、円い、白い、法然....
「樹氷」より 著者:三好十郎
口に来て切符を渡して待合所を通りぬけて出て行くザワメキ。 乗客三(男) これ、
乗越したんですがね、いくら払えばいいかね? 改札 精算は向うの窓へ行って。(言っ....