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「九つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
日《かすが》の御社《おやしろ》に仕えて居りますある禰宜《ねぎ》の一人娘で、とって九つになりますのが、その後《のち》十日と経たない中に、ある夜母の膝を枕にしてうと....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
た。八っちゃんがどんなになったかと思うと、僕は本当に淋しく悲しかった。 時計が九つ打っても僕は寝られなかった。寝られないなあと思っている中に、ふっと気が附いた....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
が、一つ目の浜の方へ、半町ばかり浜のなぐれに隔つる処に、箱のような小船を浮べて、九つばかりと、八つばかりの、真黒な男の児。一人はヤッシと艪柄を取って、丸裸の小腰....
活人形」より 著者:泉鏡花
て置いたから、ちっとは応えたろう。それに本間の死んだことも聞かしてやったら、十に九つはこっちの物だ。どうやら探偵が嗅ぎ附けたらしい。何もかも今夜中に仕上げざなる....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
らから拾って来た、いくらもあります、農家だから。――藁すべで、前刻のような人形を九つ、お前さん、――そこで、その懐紙を、引裂いて、ちょっと包めた分が、白くなるか....
紅玉」より 著者:泉鏡花
っしゃいまして――この鳥は、頭は私の簪に、尾を私の帯になるために来たんだよ。角の九つある、竜が、頭を兜に、尾を草摺に敷いて、敵に向う大将軍を飾ったように。……け....
多神教」より 著者:泉鏡花
り足取り……村の衆にも手伝わせて、その婦の上衣を引剥げ。髪を捌かせ、鉄輪を頭に、九つか、七つか、蝋燭を燃して、めらめらと、蛇の舌の如く頂かせろ。 仕丁 こりゃ可....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
それをたよりにして逢いに行くッて、まあ、賢こいじゃアありませんか、小銀はようよう九つ。 その晩は手を取りあッて、二人が泣いて別れて、明日になると、母様の眼を忍....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
石塔も、倒れたり、のめったり、台に据っているのはほとんどない。それさえ十ウの八つ九つまでは、ほとんど草がくれなる上に、積った落葉に埋れている。青芒の茂った、葉越....
雪柳」より 著者:泉鏡花
り、もの寂しい。……第一石油の底の方に淀んでいる。……そうでしょう、下宿料が月の九つ以上も滞った処だから、みじめな女郎買じゃないけれども、油さしも来やしない。旅....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
きみを他所へ遣ったお父さんやお祖母さんのために、言訳ッて事もないが話がある。私も九つぐらいな時だ、よくは覚えていないけれど、七夜には取揚婆が、味噌漬で茶漬を食う....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
、とればあとからいくらでも生えるから。たァちゃんにあァちゃんだったっけね。ううん九つに十……はァそんなになるかい」 「お前たちその花の名を知ってるかい」 「知ら....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
くなった。麦畑はようやく黄ばみかけてきた。鰌とりのかんてらが、裏の田圃に毎夜八つ九つ出歩くこの頃、蚕は二眠が起きる、農事は日を追うて忙しくなる。 お千代が心あ....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
へ逃げかえってしまった、その中にたった一人岩根村の勘太夫の娘の小吟と云うのはまだ九つだったけれ共にげもしないでおとなしく、「もう少し行らっしゃると私の家ですから....
六日月」より 著者:岩本素白
を歩きながら、薗八の「鳥辺山」、その場所も此処からはさして遠くはない、その曲の「九つ心も恋路の闇にくれ羽鳥――」とかいう辺りの面白い三味線の手を思い浮べて居ると....