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九品仏
「九品仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
九品仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
れるほど涼しい陰が、都会近くにあることをかの女に知らした。 二人はある時奥沢の
九品仏の庭に立った。 「この銀杏が秋になると黄鼈甲いろにどんより透き通って、空と....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
頃はまた落込みようが深くって、しばらく行方が知れなかった。ほども遠い、……奥沢の
九品仏へ、廓の講中がおまいりをしたのが、あの辺の露店の、ぼろ市で、着たのはくたび....
「金色の秋の暮」より 著者:宮本百合子
などの合評を読んだら、フム、と感じるところもあった。 Sさんが帰ると、Y、急に
九品仏に行こうといい出した。(三時半頃)この間N氏が家族づれで行ってなかなか道の....
「是は現実的な感想」より 著者:宮本百合子
をこのように、落ちる木の葉の色、雨の音にまで沁々知ったのは初めての経験であった。
九品仏《くほんぶつ》その他、駒沢からこの辺にかけて、散歩するに気持よいところが沢....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とせ経てけふ立ちそむる佐渡島を いつきて見るやのりのともし火 という一首を、
九品仏《くほんぶつ》の堂上の額に題して去った。 東海、東山、西国三十三番、大阪....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
や秋の雨 初潮を汲む青楼の釣瓶かな 山の井や我顔うつる秋の水 提灯で見るや夜寒の
九品仏 山越や馬も夜寒の胴ぶるひ 堂島や二百十日の辻の人 我が描きし絵に泣く人や....