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「九字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
師は夢のさめたように、慌しくこちらを振り向きますと、急に片手を高く挙げて、怪しい九字《くじ》を切りながら、何か咒文《じゅもん》のようなものを口の内に繰返して、※....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
いいたいが、壁をへだてた牢の中。――おい、猿飛、貴様忍術が使えるのだろう。えいと九字をきって、ドロドロと鼠に化け、チョロチョロと穴を抜け出して、この俺を救い出し....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
混淆しており、従って日本においても修験道の所為など道家くさいこともあり、仏家が「九字」をきるなど、道家の咒を用いたり、符※の類を用いたりしている。神仏混淆は日本....
闘争」より 著者:小酒井不木
っきり ……特に君 ……描い ……自殺するか ……が ……不安で ……信用す の九字で、これを合わせて読むと、「もうり君いかゞです」となる。この言葉を発するのは....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
運動の実際をも見たいと思った。 そこへ、突然、その年の十月頃かに、ロシアで(十九字削除)。それは共産党の方に来たのだが、こんどは僕もその相談に与かった。共産党....
暗号の役割」より 著者:海野十三
。――それに反して、ンだとかカだとかいう文字が多すぎる。ことにンが二百字中に二十九字もあるのは、あまりに変態である」 そこで袋探偵は、溜息を、一つついて鉛筆を....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
さんが、杖に縋ってどこからか出て来て、畑の真中へぼんやり立って、その杖で、何だか九字でも切るような様子をしたじゃアありませんか。思出すわ。……鋤鍬じゃなかったん....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
つぐるりと振って、交る交るに緩く舞う。舞果てると鼻の尖に指を立てて臨兵闘者云々と九字を切る。一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体は、魑魅魍魎の....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
一 誠に差出がましく恐入りますが、しばらく御清聴を煩わしまする。 八宗の中にも真言宗には、秘密の法だの、九字を切るだのと申しまして、不思議なことをするのでありますが、もっともこの宗門の....
私の小説」より 著者:坂口安吾
が正当な評価だらうと考へてゐるのだ。猪八戒はヘタくそな忍術を使ふ。デレンデレンと九字を切ると、本人は見事に化けてゐるつもりだけれども、身体だけ美人に化けて、顔は....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
中にも現存してゐる。カトリック教徒が胸に切る十字は、あれが多分後世忍術使ひの真言九字の原形であつたに相違ない。切支丹と言へばバテレンの妖術使ひと一口に言ふが、真....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の金の鍔にあるという俗説も行われていたようだ。 思うに、日本の忍術使いが真言の九字を切るということは後世の空想的な産物で、その原型は、むしろ切支丹が胸にきる十....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
、こなたは一ツ胴震いをして、立直って、我知らず肩を聳やかすと、杖をぐいと振って、九字を切りかけて、束々と通った。 路は、あわれ、鬼の脱いだその沓を跨がねばなら....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
作家の態度」と致して置きましょう。 拝啓。多分明日は出来るだろうと思います。十九字詰十行の原稿紙でただ今二百五十枚許かいて居ります。多分三百枚内外だろうと思い....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
っとも十七字といったところで中にはいわゆる字余りの句というものがあって十八字、十九字あるいは二十四、五字までになる句もあるし、また一、二字足りないような句もある....