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乱用
「乱用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
もよだつほどの不平であったのです。彼は、国家の権力が、こうした野蛮な人間によって
乱用せられることを、身震いするほど恐ろしく思いました。 その晩、寄宿舎へ帰って....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の仕掛け、あるいはこの種の金粉仕掛けのいんちきコロが、ずいぶんとくろうと筋の間に
乱用されたものなので、すなわちさいころの中をくりぬいてまず金粉を仕込み、もちろん....
「名人上手に聴く」より 著者:野呂栄太郎
とが必要である。マルクス・レーニン主義の歪曲はその公式的理解に始まり、その公式の
乱用にきわまる。実践の忙しさの中にマルクス、レーニンに聴け! これをマルクス五十....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
店や、電車の中や、人ごみの中、シネマの中で、不良と名のつく青少年男女はこの触覚を
乱用する。しかしながら触覚というものは音のしないものだから、不良でない立派な紳士....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
それはカンヴァスの作り方でも絵の具の並べ方でも、パレットナイフの使用でも、褐色の
乱用でも黒の悪用でも何んでもない。それは人間の誰れよりも強い星の性格と、貪慾なる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めた古金銀の年代別の標本も、神尾らにとっては標本としての興味ではなく、実用(実は
乱用)としての有難味以上には何もないのですから、早くもその古金銀は、最も実用に適....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
でも人の性質によっては、抵抗があってやりにくいものです。何しろ、そうそうスエコを
乱用も出来ませんから。既に御らんの通り、オオコワイと云われてみればね。 「インデ....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
、進歩発展が生れるということは、有り得ない。 軍人たちは、戦争中、弾圧、禁止を
乱用したものだが、目に一丁字なき軍人がこれを行うのは、ともかく、文化国家と自称す....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
んよう》は漫《みだ》りにくりかえすことによりて目的を果たし得るものでない。これを
乱用すればかえって正反対の結果を来たすを恐れる。ちょうど欧米《おうべい》において....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
、かなり惨酷なものに見えないでもない。無意味な混雑と危険な SONDE(測定)の
乱用とは、こんな時にすべての芸術家に課せられる重い通行税である。この意味において....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
金をもってさらに新たに学事を起すに足るべし。今の官立校とて、いたずらに金円を浪費
乱用するというには非ざれども、事の官たり私たるの別によりて、費用もまたおのずから....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
かの新聞に、雑誌に、あるいは大衆向きのよく用いられております「征服」という言葉の
乱用(?)は、まことにそれを実証いたしているかのように思われます。飛行機が空を飛....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
横になりたいのだろう。 麻痺薬の袋の服用時は「疼痛時」となっている。しかしその
乱用は勿論、厳禁されている。素子も強く自戒している。が、これ以上、私は見るに堪え....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
た。砂糖は劣食品を瞞着する秘密を持つことを知るべきである。いずれにしても、砂糖の
乱用と化学調味料を無定見に用いることは、充分慎むべきことであろう。 (昭和三十三年)....
「持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
も年を経るに従って、人間の猪口才がすべてを亡ぼしつつあるようだ。 例えば砂糖の
乱用が、おのおの持つところの異なった「味」を破壊し、本質を滅茶苦茶にしている如き....