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「乱視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乱視の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
安重根」より 著者:谷譲次
うと――眼の悪い人はいないかね? 眼の悪い人は前へ出なさい。老眼、近眼、あるいは乱視といって物がいくつにも見える。捨てて置いてはいけない。それから脳病一般、リュ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を捕りに行くための身構えか、二つの目標が同時に現われたものですから、源松の着眼が乱視的で、これだけの仕草ではよくわからないのです。 だが、送られて来た覆面の遊....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
思って咲枝宛のと栄さん宛のとの中からの抜き書を同封いたします。 日本人に近眼と乱視の多い理由を、日頃から文字のタテヨコの混乱が影響しているのではないかと思いま....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
復の乗物では(大体のりものではよまず。どうも揺れながら子供のうちからものをよんで乱視になったらしいから)読まず。そちらで三四十分(最小限待つ)その間によみたい小....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
左の方はやっぱり 2.0 でいいというわけで、もとのしらべでは左右同じな度に少し乱視の度がついていて、右が 0.5 左が 0.25 ついていたの。その乱視の度は....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たのよ、家にはそれぞれのくせがあるものですね。 眼の本漸々! 私は眼は近眼だの乱視だので、去年みたいなさわぎもいたしますから、随分大切にしています。寧ろ恐縮し....
文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
は一年ほど通いました。此様に私にとって愉しい時代はありませんでした。眼は近くなり乱視の状態にまでなりましたが、私は毎日図書館通いをして乱読暴読しました。ここでは....
溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
た黒内障《そこひ》ではないかと私は思った。が彼女は角膜炎だと云った。そして近眼で乱視だと……。近視十五度の私の眼鏡をかけて、よく見えるとて喜んだ。 「眼鏡を一つ....
千代次の驚き」より 著者:豊島与志雄
なことが気になりだしたか、自分でもよくは覚えてはいませんし、またあたしは、近眼に乱視なので、遠くがよくみえませんけれど、たしかに、物影からあたしの方をじっと見て....
道化役」より 著者:豊島与志雄
彼女は一寸お辞儀をしてから、微笑みながら私を眺めてそういった。少し小首を傾げ、乱視めいた眼付で、口をとがらした、その笑顔は、昔の通りだった。だがずっと老《ふ》....
肉体」より 著者:豊島与志雄
せんが、歯がきれいで、そして何よりも、眼が……黒目のうわずった、見つめると近視か乱視めいた愛嬌をつくって、変に妖《あや》しい色をおびてきます……。人間、うっかり....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
目が悪いから、目のところへかう捧げてクッツケないと見えなくて危いからですよ」 「乱視だな。近視ですか」 「いゝえ、弱視といふんですよ。目のところへ近づけないとハ....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
の顫え、私は全然中風のようであった。視力が恐ろしく衰えてしまった。そうして強度の乱視となった。五分と物が見詰められなかった。絶えずパチパチと瞬きをした。瞼の裏が....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
的が書かれてあった。続いて出て来たナポレオンはというと、低い鼻のうえに、コン吉の乱視の眼鏡がかけられてあったのである。 たちまち勝負はあった。『ヘルキュレス』....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
の槍ヶ嶽から、穂高、野口五郎の連峰を眼に浮べるのである。彼賀川市長は強度の不時症乱視患者である。彼はよく美人に注意して顔の研究をするが、彼の眼に映る美人は時折、....